第2回(2012年)富澤基金による研究助成の審査経過・結果報告

基金運営委員会委員長 山本正幸

「日本分子生物学会若手研究助成富澤純一・桂子基金」による第二回研究助成の最終審査を6月20日に行い、下記の5名の方々に助成を決定いたしました。審査は第一回と同じ基本的考え方により進めました。応募者は第一回より減少して105名、お名前からの推定で男性83名、女性22名でした。男女比率でみると女性が少し上昇しています。助成対象に選ばれたのは男性3名女性2名でした。

 今回も応募者が日本分子生物学会会員であるかないかは審査員に明らかにされず、また審査過程で性別に配慮することもありませんでした。結果的に今回の助成対象者5名は全員が会員でしたが、ヒアリングに選んだ11名の方(男性8名女性3名)については9名が会員、2名が非会員とのことでした。

 基金運営委員会および分子生物学会事務局では、この助成金が若手にとって少しでも使い勝手のよい研究推進資金となるよう努力を続けています。来年度以降も独創的な研究を掲げて奮ってご応募くださることを期待しています。

以上

「日本分子生物学会 若手研究助成 富澤純一・桂子基金」基金運営委員会
委員:山本正幸(委員長)、岡田清孝(副委員長)、阿形清和、小原雄治、近藤 滋、塩見美喜子、嶋本伸雄、谷口維紹

■ 第2回(2012年)日本分子生物学会 若手研究助成の助成対象者
<氏名・所属機関・研究題目 50音順>

○ 伊原 伸治 国立遺伝学研究所構造遺伝学研究センター多細胞構築研究室
基底膜の穴を制御する遺伝子の同定と分子機構の解析
(Identification and functional analysis of genes that regulate hole in basement membrane.)

○ 王 丹 京都大学物質-細胞統合システム拠点
RNA転写後制御の時・空間解析による神経回路制御機構の解明
(4-D Analysis of Gene Expression in Living Neuronal Circuits Underlying Learning and Memory.)

○ 鈴木 崇之 東京工業大学大学院生命理工学研究科
脳内の中枢シナプス結合と可塑性をコントロールする決定因子の解明
(Elucidating the Molecular determinants of connection-specificity and plasticity of central synapses in the brain)

○ 宮田 淳美 京都大学大学院理学研究科生物科学専攻生物物理学教室
マウス細胞内における28S rRNA上に生じた紫外線損傷の修復
(In vivo reversal of a UV-induced adenine dimer on mouse 28S rRNA)

○ 山崎 正和 秋田大学生体情報研究センター
平面内細胞極性を司る新規調節機構の解析
(Novel mechanism governing planar cell polarity)