東京大学より『論文不正の疑いに関する調査(中間報告)の公表について』(2013年12月26日付)を受理しましたので、ここに公開します。
日本分子生物学会はこれまで、関係者の懲罰とは切り離し、科学的な評価についての早期開示を東京大学に要望して参りました。調査対象が広範囲にわたることから、相当の時間がかかること、また今般、異例の中間発表となったことは理解できます。
しかし、厳正な調査をすることは該当する研究機関・大学の不可避的な使命であります。その観点からすると、今回の内容は、該当論文の不正箇所における具体的な問題点の言及がなく、研究成果についての学術的な検証や評価もないことから、残念ながら科学界および一般社会に対して十分な説明責任を果たしたものではないと言わざるをえません。日本分子生物学会は、本案件に関しての全面的な科学的評価を含めた、最終報告を一日も早く公表することにより、今後の研究不正対応の模範となる対応をとられることを強く要望します。
日本分子生物学会はこの公式発表を受け、科学界の一員としての責務を果たし、人類の財産である科学研究の公正性を守るべく、改めて研究不正対策に取り組んでいく所存です。
『論文不正の疑いに関する調査(中間報告)の公表について』(東京大学)(2013.12.26)(PDF 87KB)
2013年12月27日
第18期理事会執行部