「緊急のお知らせ」 来年度概算要求要望枠のパブコメについて

日本分子生物学会 会員の皆様

緊急のお知らせ 「パブリックコメント対応のお願い」

特定非営利活動法人 日本分子生物学会
理事長 岡田 清孝

報道等でご存知とは思いますが、来年度の国の予算決定の仕組みの中に、新たに「元気な日本復活特別枠」が設定され、それに関係するパブリック・コメント(パブコメ)が始まりました。本学会の会員と深く関係する科学研究費補助金や学振特別研究員、国立大学運営費交付金に関する項目が含まれていますので、会員の皆様へお知らせするとともに、パブコメへの積極的な対応をお願いしたいと思います。

来年度予算要求の仕組みは複雑ですが、今年度予算額の10%を削減し、削減分(10%以上削減の場合はその分の3倍)を上記「元気な日本復活特別枠」に要望できるというものです。要望分は政策コンテストによって予算が決まりますが(誰がどのようにして決めるのか不明な部分があります)、各省からの要望総額はすでに「特別枠」予算を大幅に超えてますので、極めて厳しい状況です。

文部科学省の「特別枠への要望」分には、科研費の若手研究A・Bや挑戦的萌芽研究、学振PDが含まれています。また、これら科研費の基金化(年度を越した使用を可能にする)も含まれています。政府の大方針として予算の伸びはありませんので、「特別枠に要望」するものは特に増額・拡充が必要なものとのことです。しかし、形式的には一旦「削減」したものですので政策コンテストによってゼロ査定や大幅削減を受けたらどうにもなりません。その場合は本体予算も大きく影響されることは必至です。もちろん常識的には「なくせない、減らせない」はずですが、政策コンテストにおいてパブコメが重要な判断材料になるとすると、どうなるのか全く読めません。重要政策、特に長期的な視点が必要な科学や人材育成がパブコメのような評価で決められること自体が異常なことだと思いますが、パブコメが始まった以上、他の政策に対して相対的に低くならないような努力をせざるをえません。

このようなことは学会活動とは一線を画すべきとは思いますが、科研費や学振PDは学会員にとって極めて重要なことでありますし、市民として意見を求められているわけでもありますので、学会員から是非とも自発的かつ積極的に意見表出していただきますようお願いする次第です。他の政策についても意見を出していただければと思いますが、科研費等については以下の3点に集約されると思います。

●科研費特に若手研究費の拡充は未来への種まきとして大変重要。
●基金化による科研費繰越し自由化は研究費の有効活用上必須。研究者の悲願。
●学振PDの拡充は次世代育成のために必須。

今回の「政策コンテスト」は、「国民の声に基づいて政策を決める」新たな試みとも言えますが、一般国民の「人気投票」に委ねることによって、科学研究費など、長期的で重要だが地味な内容の政策についての判断を誤る危険があると危惧します。

一方で「政策コンテスト」は、省庁の間の予算獲得競争になっており、「意見・コメントの数」が重視される危険もあります。期限までに、出来るだけ多数の良識のある意見やコメントを出すことが、国家予算を有効に使うことに繋がります。身の回りの方々にも声を掛けていただくことも大事です。

●パブコメ〆切は10月19日(火)午後5時です。

ご協力をお願いいたします。

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【パブコメへのアクセス】

ホームページからたどると分かりにくいですが、最も関係する政策は次で、以下のURLで直接ジャンプできます。
事業番号:1906
事業名:成長を牽引する若手研究人材の総合育成・支援イニシアティブ
http://seisakucontest.kantei.go.jp/project/detail.php?t=1906
画面中央に政策シートが出るはずですが、表示されない場合は、枠上部の右端にある「新しいウィンドウで開く」アイコンをクリックすると開きます。あるいは以下のURLでも直接見ることができます。
http://docs.google.com/gview?url=http://
seisakucontest.kantei.go.jp/project/pdf/
jg1906.pdf&chrome=true

文科省の関連説明は上下右端にある「各府省独自の説明資料を見る」からたどれますが、これも分かりづらいので、以下で直接ジャンプできます。
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/
other/__icsFiles/afieldfile/2010/09/22/
1297941_08.pdf

パブコメへの意見は「この要望について意見を提出する」ボタンから入ってください。

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国立大学運営費交付金や私学助成関係は以下でパブコメです。
http://seisakucontest.kantei.go.jp/project/detail.php?t=1905

文科省の他のパブコメ対象の施策説明は以下です。
http://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/h23/1297736.htm

パブコメ全体の入り口は以下です。ここからすべてにたどれます。
http://seisakucontest.kantei.go.jp/

FAX、郵送の場合の「意見提出様式」は以下にあります。
http://seisakucontest.kantei.go.jp/pdf/fax_form.pdf