会員各位
今回の学会連合関係の声明に賛同したことに対し、すべての会員が賛同したようにとらえられるのは許せないといったご意見が事務局に複数寄せられています。理事長としては、それらの意見を全て拝読させて頂きました。
そこで、今回の経緯について説明と補足をさせて頂きます。
10/4(日)に生物科学学会連合(生科連)の代表の小林武彦氏から日本分子生物学会に対して、今回の学術会議の任命拒否問題についての声明について、生科連の参画学会の一つとして声明を発出することの賛否を10/5(月)の昼までに欲しいとメールを受けました。
週末に受信したメールでしたので、事務局を通して理事会へ諮る余裕はないと判断し、理事長名で直接、生科連からのメールを添付して理事会に賛否を諮りました。
月曜の朝までにほとんどの方から返信をもらい、賛成多数の結果となり、生物科学学会連合へ賛同という形で回答しました(付帯意見もつけました)。
もちろんお察しの通り、一部の理事には日本学術会議そのものへの不信感がたまっており(小生自身も日本学術会議の連携会員のお誘いを拒否し続けている人間の一人です)、政治の介入に対しての声明には賛同するが、日本学術会議の存在を肯定したものではないことの付帯意見がつけられました。
10/5(月)の段階では、世間では、
(1)政府が理由を付さずに学術会議会員による決定に介入し、一部会員の任命を拒否したという問題
(2)日本学術会議の在り方そのものに関する問題
の2点が混同したままに議論されていましたが、分子生物学会を含めた生科連の声明は、あくまで(1)を意識したものとして受け止め賛同した次第です。
賛同したこと自体が現在の日本学術会議の在り方を肯定し、擁護しているように思われるのは不本意であり、理事長としては、生科連からの賛否の問い合わせに対して、理事会に諮り、賛成多数として生科連に対して回答した次第です。
そして、本学会からの付帯意見やほかの学会からの議論もあって(これは推察ですが)、声明文が少しでも誤解のないように改訂されてから行われたものと思っています。
しかしながら、多くの会員に不信感を与えたことはお詫び申し上げるとともに、日本学術会議のような科学アカデミーの在り方については、今後とも議論をしていきたいと思います。
●共同声明「日本学術会議第25期推薦会員任命拒否に関する緊急声明」発表記者会見を行いました(日本物理学会HP)
https://www.jps.or.jp/information/2020/10/post_100.php
日本分子生物学会が、今回の問題に対して、お気楽に賛成したわけではないことを申し添えさせて頂きました。
-阿形@第21期理事長
分子生物学会会員の皆様
日本分子生物学会
理事長 阿形 清和
日頃、本学会の運営にご協力をいただき、ありがとうございます。
今年のノーベル化学賞では、ついにCRISPRによるゲノム編集で女性2名が受賞して女性受賞者の割合が 1人/25人から1人/20人くらいにアップしました。特にJennifer Doudna博士が子育てしながらのノーベル賞ということで、厳しい環境で、迷いに迷う日本の女性研究者にも大きな励みとなったのではないでしょうか。Doudna博士は第37回MBSJ横浜年会に家族とともに来日、ご講演いただいたことは記憶に新しいと思います。
改めて感謝するとともに、Doudna、Charpentier両博士の今後益々のご健勝をお祈りいたします。
さて本日は、日本学術会議の会員任命問題に関係しまして、以下3点をお知らせいたします。
(1)本学会は「生物科学学会連合」(以下、生科連と略)に加盟しています。その生科連代表の小林武彦教授より加盟学会あてに「日本学術会議会員候補の任命拒否に対する緊急声明」を発出したいとの検討依頼を受けました。この件に関しまして、急きょ、理事会に諮りました結果、生科連に所属します日本分子生物学会もこれを支持することを決定しましたこと、ご報告します。
(2)その後、発信団体が増えまして、声明文は以下の内容で発出いたします。
声明文:
『日本数学会、生物科学学会連合、日本地球惑星科学連合、自然史学会連合、及び、日本物理学会は、第25期日本学術会議会員候補者の一部について、政府により理由を付さずに任命が行われなかったことに関して憂慮しています。従来の運営をベースとして対話による早期の解決が図られることを希望いたします。』
(3)本日10月9日夕方、日本数学会、生物科学学会連合、日本地球惑星科学連合、自然史学会連合、及び、日本物理学会の合同で記者会見が行なわれる予定です。記者会見については情報が入り次第、学会HPでお知らせいたします。