本年1月より、日本分子生物学会のオフィシャルジャーナルGenes to Cellsの編集長を拝命しました上村です。
1996年の創刊以来30年弱が経ちました。この間、故・富澤純一先生、柳田充弘先生、そして西田栄介先生と三代に渡る編集長のリーダーシップをもちまして、Genes to Cellsは研究者コミュニティに信頼されるジャーナルへと成長して参りました。この過程には、学会員のご支持と、建設的なレビューを返して下さるレフェリーのご協力、そして編集室、出版社、学会事務局間の継続した協力体制があったことは申し上げるまでもありません。今後も伝統を継承することはもちろんのこと、研究者をさらに応援するジャーナルへと発展させる所存です。
この機会に、Genes to Cellsが研究者の要請にどのように柔軟に対応させて頂いているか、手短に説明させて頂きます。まず生命科学関連分野全般の研究成果の発表に利用頂けます。研究のアプローチについてはウェットでもドライでも、新しい発見の報告はもちろん方法論の開発にも、研究室内での産物に限らず野外で採取した試料の解析にも、門戸を開いています。また、Original articleに加えて、短いフォーマットとしてBrief reportを受け付けています。さらに、論文発表に伴う様々な状況については、編集委員やoffice@genestocells.jpに日本語でご相談頂けます。例えば急いで発表されたい場合や、興味深い観察の記述の一方でそのメカニズム解明に至っていない場合などです。最後に、投稿料がかからずに発表できる選択肢があることをリマインドさせて頂きます。
論文出版を含めて自然科学界全体はすでに激動の時代に入っています。私ども研究者は、自身の研究遂行上のデータ品質管理に関する大小の問題に常に悩みつつ、オープンアクセス費用の高騰や生成AIの研究現場への導入など次々と新しい事態に直面しています。Genes to Cellsはこれらの諸問題を皆様が議論するプラットフォームであるともお考え頂きたいと思います。実際に、日本分子生物学会年会のセッションで会員やGenes to Cells関係者が議論して参りました(最近の資料及び文献:1~6)。国内外の他の学会やジャーナルとも、今まで以上に諸問題を共有していくことが欠かせないと考えています。
ご存知のように2011年から始めている日本風の凝った表紙画についても、アイディアを引き続き募集していますので、編集室までお知らせください。
皆様からのご投稿を心よりお待ちしています。そしてGenes to Cellsに発表下さった論文をご自身の次の論文や学会発表でぜひ引用して、積極的に宣伝してください。どうぞよろしくお願いいたします。
Genes to Cells編集長
上村 匡
office@genestocells.jp
資料及び文献: