特定非営利活動法人 日本分子生物学会 第16期・第17期 合同理事会記録

日 時:2010年12月6日(月)17:20~19:20

場 所:神戸国際会議場 4階「401+402」

出席者:第16期
岡田清孝(理事長)、鍋島陽一○(副理事長)、町田泰則(副理事長)、相沢慎一○、荒木弘之、上村 匡(編集幹事兼)、貝淵弘三○、影山龍一郎○、片山 勉、塩見春彦○(会計幹事兼)、篠崎一雄、篠原 彰、杉本亜砂子○、田畑哲之、永田恭介○、正井久雄、水島 昇○、山本正幸、渡邊嘉典、小川智子(監事)、吉川 寛(監事)、石野史敏(庶務幹事)、小林武彦(集会幹事)
(○印は17期継続理事)
第17期
小原雄治(17期理事長)、阿形清和、石川冬木、上田泰己、五條堀孝、後藤由季子、田中啓二、谷口維紹(第33回年会長)、月田早智子、中山敬一、花岡文雄(第34回年会長)、三浦正幸、宮園浩平 以上36名

欠席者:第16期
饗場弘二、審良静男○、大隅良典、加藤茂明(広報幹事兼)、小安重夫○、白髭克彦○、辻本賀英、長田重一、升方久夫、柳田充弘○(Genes to Cells編集長兼)、山中伸弥、平尾 敦(2011春季シンポジウム世話人)

(○印は17期継続理事)
第17期
五十嵐和彦、大隅典子、西田栄介、山本雅之、米田悦啓 以上17名

事務局:福田 博(記録)、並木孝憲、丸田夏子

関係議題参加者:峰崎 愛(第33回・第34回年会事務局より)  

本理事会成立について:
 石野史敏庶務幹事より、理事32名、監事2名、幹事2名が出席し、委任状16名(理事)を受理しており、本理事会は細則第4章第8条により成立する旨、報告された。
 

議事録署名人の選任について:
 岡田清孝理事長より、議事録署名人として、塩見春彦理事と杉本亜砂子理事が指名され、承認された。
 

議 事:

1.報告事項

1)執行部報告(理事長報告、庶務幹事報告)

 ・会員現況 石野史敏庶務幹事より、2010年12月1日現在の会員数につき以下のとおりに報告がなされた。

名誉会員1名
正 会 員9967名(海外在住含む)
学生会員5346名(海外在住含む)
賛助会員36社 
合 計15350名(前年12月対比、+107)

 ・第16期活動報告(全般)
 岡田清孝理事長より、総会資料(1頁:2010年度事業報告)に基づき、第16期の活動概要全般につき報告が行われた。 昨年の事業仕分け評価から続いている科学技術予算全般への理事会対応であるが、本年6月、「学術の研究教育の転換期に当たって」と題して、会報とホームページに理事長メッセージを掲載した。また9月末には、会員への緊急のお知らせとして「来年度概算要求要望枠のパブコメについて」をホームページに掲載し、同時にパブコメ対応に関しての会員一斉メール配信を行った。11月半ばには、日本化学会ほかとも協力し、30学会(39万会員)会長声明「日本国家存立の基盤となる高度人材育成と科学技術予算強化を求める」を発表したことが報告された。
 

2)石野庶務幹事(平尾 敦世話人代理)より、第11回(2011年)春季シンポジウムの開催概要の報告がなされた。
  ・テーマ「分子生物学の明日-金沢シンフォニー」
  ・会 期:2011年5月25日(水)~26日(木)
  ・会 場:石川県立音楽堂(金沢市)
 本シンポジウムは、北陸地方の分子生物学に関係する研究者にできるだけ多く参加してもらうことを大きなねらいとし、ひとつの領域に偏ることなく広くテーマを設定し、各分野の最先端で活躍している研究者に講演を依頼している。また、金沢大学がん研究所を母体とする金沢国際がん生物学シンポジウムを組み入れ(金沢大学との共催)、海外からの研究者を招聘し、International Sessionとしてがん生物学の話題を提供する予定であるとの説明がなされた。
 4月24日(日)には、金沢21世紀美術館(シアター21)にて市民公開講座を開催する。講演は小出五郎 氏(科学ジャーナリスト・元NHK解説委員)と近藤 滋 氏(阪大)に依頼している旨報告された。
 

3)谷口維紹第33回年会長より配布資料に基づき準備状況の報告がなされた。一般演題投稿数は5385題(うちLate-breaking abstracts投稿は229題)、事前参加登録は7433名となり、順調に準備が進んでいる(最終的に約11200名の参加者となった)。本合同大会においても、演題投稿画面および事前参加登録画面に、入力者の所属学会に関する項目を設定し、その集計結果資料が配布された。概要は以下のとおりである。

 ・BMB2010一般演題における発表者の所属学会分布

分子生物学会会員3216演題
生化学会会員1743演題
両学会の会員426演題
総演題数5385演題

 ・事前参加登録者所属学会分布(非会員を除く)

分子生物学会会員3909名
生化学会会員2089名
両学会の会員1016名
合計7014名

 合同大会終了翌日の12月11日には、神戸から東京大学安田講堂に会場を移して、BMB2010市民公開講座「広がる生命科学の世界 -からだの形作りから病気の克服まで-」を開催する。司会を膳場貴子氏(TBSニュース23キャスター)に依頼し、4名のパネリストによる講演が行われる予定であることが報告された。
 

4)花岡文雄第34回年会長より、2011年の年会開催企画案につき報告がなされた。

・会  期:2011年12月13日(火)~16日(金)の4日間
・会  場:パシフィコ横浜
・年 会 長:花岡文雄
・組織委員:永田恭介(組織委員長)、三浦正幸(プログラム委員長)、菅澤 薫(財務・渉外委員長)、柳澤 純(運営・庶務委員長)
プログラム委員 各分野を代表する全国の研究者42名

 第34回年会(MBSJ2011)は「基礎研究と応用研究の基軸としての分子生物学」をテーマに、「分子からヒトへ - メカニズムを知り、コントロールする -」のキャッチコピーのもとプログラムを企画していく。
 本年会組織委員会では、拡大を続ける本学会の今後の在り方を考え、科学的な成果の分かり易い発信の視点から、またますます細分化しつつある研究状況に活路を拓くなどの視点から、年会を今までのプログラムとは異なる構成で進めている。その要点は、期間中の各日で、いくつかのテーマをくくった研究集会が複数並行して進行し、それぞれは一定の完結性を持った研究集会のように運営されるというようなイメージである。テーマの単位は、例年、年会の一般演題募集時に用いられてきた次の6つの大きな項目とした。
 ●分子構造・生命情報
 ●分子・複合体の機能
 ●細胞の構造と機能
 ●発生と再生および神経科学
 ●疾患生物学
 ●分子生物学的方法論、技術
 上記の各大項目(以下「フレーム」と記載)の小項目ごとにプログラム委員が配置されており、これらのプログラム委員がフレームごとに、シンポジウム、ワークショップ、口頭発表の企画を立てていく予定である。

 ◆シンポジウムは、小項目横断的な、あるいはフレーム横断的な内容になることが期待される。

 ◆ワークショップは、個々のディシプリンや関連研究分野に焦点をあてたものとなる。視点を絞った横断型も可能である。口頭発表についても、プログラム委員の判断で企画性をもたせる工夫も可能性とする。

 ◆口頭発表はポスター発表の中から、小項目ごとに選抜することとする。

 シンポジウム・ワークショップは、一部プログラム委員が先導する企画もあるが、多くは従来どおり会員の提案から選抜する予定(2011年2月号会報および年会ホームページにて募集告知)であることが報告された。
 第34回年会においては、男女共同参画の実現と若手研究者の育成にも力を入れるという方針から、女性研究者や若手研究者をできるだけオーガナイザーやスピーカーに積極的に取り入れたいと考えている。さらに、前回の単独年会である32回年会を引き継ぐ形で、可能な限り英語を推奨する予定である旨、説明がなされた。
 

5)岡田理事長より、第35回(2012年)年会については、阿形清和氏(京都大学)に年会長を依頼し、本日開催した16期第4回理事会で決定したことが報告された。
 

6)上村 匡編集幹事より、配布資料に基づき、学会誌『Genes to Cells』の編集報告が行われた。出版契約の改定から2期目となる2009年分の収支報告を出版社より受けており、学会誌発行に掛かる収支は引き続き安定している。
 GTC誌に関する新たな取り組みとしては、著者が所定の費用を負担することで論文掲載と同時にオープンアクセスの設定が可能なサービス「Online Open」を導入しており、現在すでに6報が採用されている。また、日本分子生物学会三菱化学奨励賞の受賞を記念し、2009年からは受賞者が総説を投稿できるようになったが、「MBSJ MCC Young Scientist Award 2009 REVIEW」と題した受賞者の総説がすでに2010年9月号に掲載されているとの説明がなされた。本年6月号からは、日本語版目次(論文タイトル)の会員メール配信と学会ホームページでの公開を開始し、最新論文へのダイレクトリンクを可能にしたことが報告された。さらに資料に基づき、Online投稿数、各年月別投稿数、国別Accept & Reject率についての報告が行われた。
 また、2011年よりGTC誌の表紙デザインが斬新的に一新される予定であり、新デザインを総会で発表する。投稿数は持ち直しつつあるが、引き続き、理事各位には積極的な投稿をお願いしたいとの依頼がなされた。
 

7)杉本亜砂子男女共同参画委員長より、BMB2010初日の12月7日、ランチョンワークショップ「男性の視点から見た男女共同参画」(日本初の“父親学校”を開いた、NPO法人ファザーリングジャパンの安藤哲也氏による講演)が開催されるので、理事各位においてもぜひ参加してほしいとの要請がなされた。
 昨年の32回年会に引き続き、本年度の合同大会においても、一般演題発表者、シンポジウム/ワークショップのスピーカー、シンポジウム/ワークショップのオーガナイザーそれぞれの属性調査(男女比、年齢層分布、男女別職階分布)を行ったことが報告され、その属性統計資料が配付された。同資料は会場内の複数の場所で配付し、同時に広報ポスターも掲示される予定である。今後も経年的変化を評価するために本調査を続行することとし、同時に他学会にも同様の属性調査の実施を提案していきたいとの報告がなされた。
 引き続き、配布資料に基づき、本委員会の歴史(2001 /年会保育室設置WG、2002/ 男女共同参画WG~現在に至るまで)、活動内容、今後の検討事項等について説明がなされた。第16期の男女共同参画委員会は12月末で一旦任期満了となるが、第17期委員会の活動内容・委員会構成については、明日12月7日の委員会開催を経た後、小原次期理事長に相談しながら進めていきたいとの説明がなされた。
 

8)水島 昇若手教育問題ワーキンググループ座長より、合同大会2日目の12月8日、ランチョンセミナー形式で、「若手教育ランチョンセミナー2010 あなたの解釈は大丈夫?統計解析と研究ルール」が開催されることが報告された。第一部では「科学的実験と統計的実験の境界」と題して、手良向 聡氏(京大病院探索医療センター)による講演を行う。第二部は、WG委員がパネリストとなり、参加者の意見をそのままリアルタイムで表示できるレスポンスシステム(今年はクリッカーを200台に増台)を導入して、相互討論ができる企画となっていることが報告された。
 また、本ワーキンググループの企画のもと出版社とタイアップしてまとめてきた記事「正しい知識が捏造を防ぐ データを正確に解釈するための6つのポイント」(「蛋白質 核酸 酵素」2008-2009)を、本年3月に学会ホームページに掲載(出版社の許可のもとに転載)したことが報告された。
 

9)学術事業企画委員会報告(学会創立30周年記念出版事業)
 永田恭介学術事業企画委員長より以下3部作の編集が順調に進んでいることの説明がなされた。“なぜなぜ生物学”については、本合同大会に印刷が間に合い、展示会場(書籍コーナー)での販売も開始される旨報告された(見本誌・回覧)。出版社からの直接購入であれば、3部作のすべてにつき会員は2割引で購入できる。
 ●“なぜなぜ生物学”2010年12月刊行
   新書判 縦組 202ページ(定価1470円)
 ●“分子生物学に魅せられた人々”2011年3月刊行予定
   四六判 縦組 約300ページ
 ●“21世紀の分子生物学”2011年10月刊行予定
 本委員会では、さらに未来の分子生物学を担ってくれる子供たちを対象とした出版(学習研究社とのタイアップ出版企画「まんがでよくわかるシリーズ」)も検討してきたが、集めるべき協賛金の金額が非常に大きいため、昨今の経済状況を考慮し当面見送りとしたことが報告された。
 

10)将来計画検討委員会報告
 山本正幸委員長より第16期の将来計画検討委員会においては、任期中に計4回の会合を持ち、課せられた課題についての検討を重ねてきたとの報告がなされた。 理事選挙投票率を高める問題、男女共同参画の推進(女性理事をいかに増やすか)については、既に具体的方策を実施済みである。 昨年からの懸案となっていた課題2点、(1)春季シンポジウムのあり方(あらたな国際シンポジウム企画の検討を含む)、(2)年会のあり方、については、本日開催した16期第4回理事会に、以下の最終提言を提出し、本提言内容を学会員に公表するとともに、小原次期理事長および第17期理事会執行部への申し送り事項とすることが16期理事会で承認されている旨の報告がなされた。


2010年12月6日

第16期 将来計画検討委員会 提言

第16期将来計画検討委員会において、2009年9月、11月、12月、2010年5月の計4回の会合を持ち、検討を重ねた。本日、『第16期将来計画検討委員会 提言』を提出・報告します。

日本分子生物学会 第16期 将来計画検討委員会
山本正幸(委員長)、荒木弘之、篠原 彰、
杉本亜砂子、 水島 昇、宮園浩平
 

● 国際対応について(課題、基礎科学の現状認識 / 学会の役割.に関係して)

 提言1:あらたな国際シンポジウム企画、ならびに、春季シンポジウムのあり方について

  ・ 国際対応の一環として、今後、新しい国際シンポジウム企画を立ち上げることを提案したい。

  ・ 会期は年会前日の2日間とし、可能な限り、年会で確保している会場を融通させてもらうこととする。

  ・ 同国際シンポジウムは、年会とは独立したサテライトの位置付けとし、シンポジウムセッションとしては3つ程度(予算の目安は300万円×3テーマ)を企画し、2014年の年会より継続的に開催できることを目標にしたい。

  ・ 現行の春季シンポジウムについては、2013年以降は、理事会(理事長)からの世話人指名(依頼)ではなく、公募の形式に変えていき、またその実施も隔年開催といった選択肢もあり、新しい国際シンポジウム開催と合わせて、予算対応を図ることとしたい。

● 年会のあり方(開催形式、年会長と理事会の責任分担 等々)について

 提言2:年会のあり方について

  ・ 本学会のオリジナリティを尊重して、他学会との合同開催は2~3年に1度とし、2年連続しての合同開催は避けることが望ましい。

  ・ 合同開催を実施する場合、そのパートナーとなる学会は幅広く視野に入れるよう、配慮することとしたい。

  ・ 年会長が年会運営のための組織委員会を設置するに際して、必要に応じて(年会長から要請があった場合)、年会長所属の1施設だけでなく、全国規模の複数の施設から組織委員を人選することも可能とする。

  ・ 海外招待講演者だけではなく留学生にも配慮し、一般論として、ゆるやかな英語化を進める必要があることを、理事会ならびに今後の年会長(年会組織委員会)への申し送りとしたい。

  ・ 本委員会においては、4回の会合を開催し、年会のあり方についての議論を重ねたが、ほぼ現状追認の検討結果となった。本提言については、5年後を目処に、再検討・見直しを行うことを申し送ることとする。


 上記の提言内容に関して、17期出席理事からいくつかの質問が出され、山本委員長、岡田理事長より補足説明が行われた。
 

11)「日本分子生物学会 若手研究助成 富澤純一・桂子 基金」若手研究助成事業について
 山本基金運営委員長より、このたびの富澤純一博士からの寄付のお申し出(2010年4月)ならびに寄付行為に至るまでのいきさつ、16期執行部においての対応(6月)、理事会持ち回り審議(7月)、富澤基金設立・寄付金受領(8月)、そして基金運営委員会発足(2010年10月1日付)までの経緯につき、詳細説明がなされた。
 11月19日に第1回基金運営委員会を開催し、・応募方式・応募資格・選考方法・研究助成金の使途ならびに会計処理・第一期委員の任期・規程、募集お知らせ原稿、申請書の確認・今後のスケジュール・広報一般、等々につき詳細な検討を行ったことが報告された。応募方式(自薦・他薦)については、新理事会準備会議(2010.10.15)からの提出意見を充分に考慮しながらも、最終的には、あくまで自己申請を基本とすることが委員会による合意となった(応募方式は自薦とし、どれだけ研究意欲・能力があるかということと、現実の研究資金の困難度の訴えを総合して、委員会が判定する)。
 引き続き、配付資料(規程と募集要項(最終案)、募集お知らせ広報原稿、申請書)の確認が行われ、本理事会にて以下「特定非営利活動法人 日本分子生物学会 若手研究助成制度ならびに基金運営委員会の運営に関する規程」と「日本分子生物学会 富澤基金 若手研究助成 募集要項」が承認された。


特定非営利活動法人 日本分子生物学会
若手研究助成制度ならびに基金運営委員会の運営に関する規程

  1.目的
 日本分子生物学会は、分子生物学に関連する生命科学の基礎的研究の発展を期して、毎年若干名の将来性ある若手研究者に対し、研究助成金を贈呈する。当該研究助成事業を行うに際して必要な事項を定め、事業の適正な運営を図るために、本規程を制定する。

  2. 研究助成金の趣旨
本研究助成金は、「日本分子生物学会 若手研究助成 富澤純一・桂子 基金」に基づいて、分子生物学に関連する生命科学の基礎的な領域において独創的な研究を行いつつあり、かつ本研究助成金を受領することによって研究の特段の進展が期待できる若手研究者に対して助成する。

  3.基金運営委員会の設置、任務、構成
 研究助成者の選考、および同基金の管理は、「日本分子生物学会 若手研究助成 富澤純一・桂子基金」基金運営委員会が行う。

 1)基金運営委員会は、理事会の承認のもとに設置される。

 2)基金運営委員会は、委員長1名、副委員長1名、および委員4ないし5名により構成される。さらに、任期中にある理事長は、同委員会に基金運営委員として加わるものとする。

 3)基金運営委員会委員の任期は、第1期については2010年10月1日~2014年12月31日とする。第2期(2015年1月1日~)以降の委員任期については、現委員会の任期終了前に、理事会にて検討を行い定めることとする。委員については、半数を超えない限りで再任を認める。

  4.助成者の選考
 基金運営委員会は助成者の選考に当たる。書類審査(採点)の後、採用予定数の二倍を超えない数の候補者にヒアリングを実施し、総合結果に基づき基金運営委員会で合議の上、基金運営委員長が決定する。基金運営委員長は選考結果を日本分子生物学会理事会に報告する。選考に当たっては、本助成が申請者の研究の進展にどれだけ効果的に寄与できるかという観点にも配慮することとする。
ヒアリングには基金寄付者である富澤純一博士がオブザーバーとして同席できるものとする。

  5. 助成への応募資格等
 助成への応募資格、助成金額、助成金の使途、受領に伴う義務等については別途定める「日本分子生物学会 富澤基金 若手研究助成 募集要項」による。同要項は基金運営委員会が定め、日本分子生物学会理事会の承認を得るものとする。

  6. 規程の改正
本規程の改正は理事会の承認を必要とする。

  付記.
2010年12月6日、第16期・第17期 合同理事会において本規程を定め、同日より運用する。

日本分子生物学会 富澤基金 若手研究助成 募集要項

  1. 助成への応募資格

 1)分子生物学に関連する生命科学の基礎的な領域において独創的な研究を行い、将来の発展を期待し得る39歳以下の若手研究者を対象とする。ただし、研究経歴において特別な事情がある場合は39歳を超えていても応募を受け付ける。

 2)日本分子生物学会の会員・非会員は問わない。

 3)申請者の単独研究、または申請者が中心になって行っている共同研究を対象とする。

 4)再度の応募を妨げない。

  2. 助成金額
助成金額は、一人300万円。年度ごとの助成人数は5名。
(10年間で総額1億5000万円を助成予定)

  3. 研究助成金の使途、ならびに会計処理

 1)研究推進に関係することであれば、使途は限定しない。

 2)本助成金は直接研究費以外にも自由度をもって使用できるものとする。そのために、原則、研究助成金は一時所得扱いとし、学会が源泉徴収(50万円を超える、250万円につき10%)を行う。

 3)採択決定者が助成金の全額または一部を所属研究機関の委任経理金扱いとすることを希望した場合には、それに対応する(当該部分については源泉徴収は行わない)。ただし本助成から間接経費の負担は行わない。

  4. 贈呈式
研究助成採択者には、日本分子生物学会年会(総会)における贈呈式への出席を要請する。

  5. 研究成果公表
本助成金を使用した研究成果を、学術雑誌等に公表する場合は、「日本分子生物学会 若手研究助成 富澤純一・桂子基金」 (Tomizawa Jun-ichi & Keiko Fund of Molecular Biology Society of Japan for Young Scientist)から助成を受けた旨を明記するものとする。

  6.研究成果および会計報告

 1)本助成金受領者は、助成金を受領した翌々年の5月末までに、研究成果と会計報告の概要を、「日本分子生物学会 若手研究助成 富澤純一・桂子 基金」基金運営委員会あてに提出する。様式は問わない(一時所得扱いの受領者は、会計報告に際して、領収書の提出は不要。ただし使途の一覧を提出すること)。

 2)本研究助成の贈呈対象者として、相応しくない行為があった場合には、助成金の返還を求めることがある。

  7.規程の改正
本要項の改正は理事会の承認を必要とする。

  付記.
2010年12月6日、第16期・第17期 合同理事会において本要項を定め、同日より運用する。


 第一期の「日本分子生物学会 若手研究助成 富澤純一・桂子 基金」基金運営委員会は次のとおりである。

委 員:阿形清和、岡田清孝(副委員長)、小原雄治、近藤 滋、塩見美喜子、嶋本伸雄、谷口維紹、山本正幸(委員長)

 さらに、山本委員長より以下のとおりに作業スケジュールが報告された。

 ・合同大会の各会場にて、募集お知らせダイジェスト版を配布.ポスターを掲示.

 ・第33回通常総会(12月8日)にて、本研究助成事業の詳細を発表.

 ・文科省記者クラブへプレスリリース、全国の研究施設へ募集お知らせを発送
(12月中旬)

 ・12月下旬までに、学会HPに詳細案内とダウンロード用書式を掲載.

 ・HP掲載完了後に全会員へ一斉メール配信を実施.

 ・応募受付期間:2011年1月7日(金)~1月31日(月)
 

2.審議事項

1)第17期副理事長の選任
 第16期理事が一旦退出した後、石野庶務幹事より副理事長選出に関する細則の説明がなされ、自由討論に入った。第17期出席理事により投票が行われ、副理事長として、相沢慎一氏と大隅典子氏が選任された。
 

2)第17期監事の選任
 小原第17期理事長から、第17期の監事として勝木元也会員、町田泰則会員が推薦され、承認された。監事選任については第33回通常総会で最終承認をとることとなる。

3)第17期各幹事、各種委員会の委員長および委嘱について
 小原第17期理事長より、役員・幹事・各委員会名簿(案)が配付され、承認された。
 小原新理事長より、17期理事会では広報幹事の役割・担当業務を広くし、広報幹事を二人体制にして執行部メンバーに入ってもらい、社会への情報発信、科学研究教育・政策、要望書・提言など、様々な案件に迅速に対応できるようにしたいとの説明がなされた。16期からの持ち越しとなっている、科学研究教育・政策等に対応するための新委員会をすぐに発足させるのではなく、理事長、庶務幹事、広報幹事(2名)からなる執行部4名体制にて機動的に対応していきたいとの方針が示され、提案どおりに承認された。
 男女共同参画委員会については、杉本亜砂子理事に委員長を再任してもらい、塩見春彦理事に副委員長を担当してもらうこととした。杉本委員長からは活動内容を検証し、委員会業務を効果的に進められるような工夫をしたいとの考えが示され、委員会構成については、12月7日の男女共同参画委員会開催の後、杉本委員長から第17期の活動方針、委員会メンバー案を提出してもらい、理事長、委員長、副委員長で最終決定とすることが確認された。 また、本日現在、確定していないもう1名の集会幹事については、2012年の阿形年会長よりしかるべき時期までに理事長あて集会幹事を推薦してもらい、決定する予定である。
 

4)第16期から第17期への申し送り事項

 ・学会発 日本語オンラインジャーナル(総合レビュー誌)について
 第16期の将来計画検討委員会において、幾度か、PNEに代わるオンラインジャーナル(日本語の総合レビュー誌)について議論してきたが、関連分野の他学会と同様に、本学会もその対応については、慎重に様子をみてきた。
 本年11月、ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)の飯田啓介氏(元PNE編集長)より、その後の動向についての連絡があったことが岡田理事長より報告された。本年9月1日にトップジャーナルに掲載された日本人を著者とする生命科学分野の論文について、論文の著者自身の執筆による日本語のレビュー(総説)を、いち早く公開する「ライフサイエンス新着論文レビュー」(http://first.lifesciencedb.jp/)がスタートした。公開からの約2カ月で50本近いレビューが公開されているとのことで、本学会における前向きな協力を引き続き検討してほしいといった依頼である。本件については、次期理事会への申し送り事項としたい旨、岡田理事長より報告された。
 さらに意見交換がなされ、この「新着論文レビュー」は学会発の日本語オンラインジャーナルのモデルケースあるいはプロトタイプとなる可能性はあるが、DBCLSの来年度以降の活動が不透明なこともあるので、17期理事会においても慎重に対応する必要があることが確認され、17期執行部へ申し送られた。

5)その他
 出席理事より、第35回(2012年)年会について、その開催形式と、「第16期将来計画検討委員会 提言」(報告事項の10)参照)との関係についていくつかの質問が出された。山本委員長および岡田理事長より、本提言は、年会長から要請があれば、理事長と執行部、そして理事会は、年会長を全面的にサポートしていくという立場を明らかにするためのものであり、年会開催形式について年会長に委ねられている自由度/裁量は従来どおりで、年会長の方針が最大限に尊重されるとの説明があった。
 岡田理事長より、年会開催形式については、個別の学会との関係で検討するのではなく、サイエンスベースで考えることが重要であるとの考えが示された。引き続き、2012年の福岡年会の開催形式について、多くの様々な意見が提出され、活発な意見交換が行われた。
 最後に、阿形第35回年会長より、各学会はそれぞれに年会を行うことが基本スタンスであり、合同年会を行うことは一切考えていない旨の方針が示された。これにより2012年の年会は単独開催となり、第17期執行部が必要なサポートをしていくこととした。
 

上記、第16期・第17期 合同理事会の議決および確認事項を明確にするため、この議事録を作成し、議事録署名人はここに記名押印する。

2010年12月6日

特定非営利活動法人 日本分子生物学会 第16期・第17期 合同理事会

議長岡 田 清 孝
議事録署名人塩 見 春 彦
議事録署名人杉 本 亜 砂 子