特定非営利活動法人 日本分子生物学会 第17期第2回理事会記録

日 時:2011年12月12日(月)15:00~19:00

場 所:パシフィコ横浜 会議センター 5階「511+512」

出席者:小原雄治(17期理事長)、相沢慎一(副理事長)、大隅典子(副理事長)、阿形清和(第35回年会長兼)、貝淵弘三、影山龍一郎、五條堀孝、後藤由季子、白髭克彦、杉本亜砂子、月田早智子、永田恭介、中山敬一、西田栄介、花岡文雄(第34回年会長兼)、三浦正幸、町田泰則(監事)、石野史敏(庶務幹事)、上村 匡(編集幹事)、荒木弘之(広報幹事)、篠原 彰(広報幹事)、柳澤 純(集会幹事)、久保田健夫(2012春季シンポジウム世話人)、以上23名

欠席者:審良静男、五十嵐和彦、石川冬木、上田泰己、小安重夫、塩見春彦(会計幹事兼)、田中啓二、谷口維紹、鍋島陽一、水島 昇、宮園浩平、柳田充弘(Genes to Cells編集長兼)、山本雅之、米田悦啓、勝木元也(監事)、諸橋憲一郎(集会幹事)、山本正幸(富澤基金運営委員長)、以上17名

事務局:福田 博(記録)、並木孝憲、丸田夏子、岩田眞弓

本理事会成立について:
石野史敏庶務幹事より、理事16名、監事1名、幹事5名、議題関係会員1名が出席し、委任状14名(理事13、監事1)を受理しており、本理事会は細則第4章第8条により成立する旨、報告された。

議事録署名人の選任について:
小原雄治理事長より、議事録署名人として、後藤由季子理事と中山敬一理事が指名され、承認された。
 

議 事:
 

1.報告事項
 

1)執行部報告(理事長、庶務幹事、広報幹事)

  ・会員現況
石野庶務幹事より、2011年12月1日現在の会員数につき以下のとおりに報告がなされた。

名誉会員1名
正 会 員10,024名(海外在住213含む)
学生会員5,417名(海外在住80含む)
賛助会員35社 
合 計15,4770名(前年12月対比、+127)

  ・東日本大震災・復興支援、本学会の対応
小原理事長より、標記についての本学会対応の概要が報告された。

  ①学会HPやメール配信を活用した情報の収集と発信

   3/16 全会員あてにメール配信(理事長メッセージ)を行い、被災地の研究者を支援するための具体的なアイデアを募った.

   3/22 計画停電の影響を受け、NIIサーバが使用できない状況が長期化する可能性を鑑み、学会HPの民間サーバへの移設を完了した.

   3/23 会員から寄せられた、被災地の復興支援に関する情報を発信するため、HPに『復興支援ネットワーク掲示板』を立上げ、同時その旨のメール配信を行った.

   4/19 『掲示板』のさらなる活用を促すメール配信を行った.
支援情報の掲載項目:【研究の場を提供・人材の受け入れ】
          【実験材料等の一時あずかり】
          【機器や試薬の修理・保証・貸出など】
          【そのほか】

   5/16 研究室ごとに異なる個別の事情を拾い上げるため、被災地の会員あてに個別にメール配信を行い、情報の収集に努めた.

  ②東日本大震災で被災された学生会員へ以下の対応を行った。

  ●被災された学生会員、および新入会の学生を対象に、2011年度の学会費(新入会の場合は入会金を含む)を免除した(実家や保護者が被災された場合も同様に適用)。申請された学生会員は11月末現在で103名であった。

  ●被災された学生会員を対象に、第34回年会の参加登録費を免除した。申請された学生会員は11月末現在で111名であった。

  ・「動物愛護管理のあり方について(案)に対する意見の提出」について
 本年11月11日、「動物愛護管理のあり方について(案)に対するパブコメについて」に関して、緊急のお知らせといった形で会員一斉メール配信を行ったことが小原理事長より報告された。しかし問題点がわかりにくいといった会員からの声も多く、さらに、生物科学学会連合より加盟学会あてに各学会会員への周知につき協力してほしいとの依頼を受けたことが報告された。本学会においては多くの会員が動物実験を実施しており、法律の改正内容によっては大きな影響を受けるものと判断し、執行部における検討の結果、学会として環境省パブコメに意見表明する方針を決定し、「動物愛護管理のあり方について(案)に対する意見の提出」案を作成した。
 理事会持ち回り審議の結果、11月29日、上記提出文書は承認され、同日、環境省に意見提出を行った。提出意見は学会HPで公開され、11月30日にリマインドメール一斉配信を行ったことが報告された。
 

2)第9回日本分子生物学会三菱化学奨励賞選考結果報告

  (ⅰ)選考結果報告
相沢慎一賞選考委員(小安重夫賞選考委員長代理)より、標記奨励賞候補として14件の応募があり、委員会による審査・選考の結果(第1次審査はメール持ち回りによる書類審査、第2次審査は東京にて選考委員会を開催)、以下の2名が受賞者として決定したことが報告された。

   ○永樂元次(理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 副ユニットリーダー)
【研究題目】
(和文)幹細胞の3次元培養系を用いた中枢神経系組織構築の自己組織化の機序
(英文)Self-organizing formation of CNS tissues in three-dimensional culture of stem cells

   ○山下暁朗(横浜市立大学医学部 講師)
【研究題目】
(和文)動物細胞における mRNA 監視機構の分子機構の研究
(英文)The analysis of gene expression regulation via mRNA surveillance system in mammals

  (ⅱ)日本分子生物学会三菱化学奨励賞・募集要項(規定兼)の一部変更について
 相沢選考委員より、小安委員長から申し送られている付帯意見の報告がなされた。
* 委員長から申し送られた付帯意見:「今後の課題として、分子生物学会で全く発表をしたことがない方を候補者とするのか、選考委員は推薦資格があるのか、候補者の独立性をどのように考えるのか、特にこの賞は独立を助ける賞なのか、独立した人に与えられる賞なのか、など公募要領からは読み取りにくいことを一度検討した方が良いのではないか、などの意見が委員会内であった.」
 本件について、11月に執行部にて慎重な検討を行っており、小原理事長より以下の執行部提案の説明がなされた。

   ①年会での発表実績は必要である。

   ②選考委員にも原則として推薦資格があって問題はないだろう(過去にも同様の事例あり)。推薦者については投票(得点)をしない、評価意見を述べない、等々の委員会内の申し送り対応で問題はないと考える。

   ③応募要項の1.対象の冒頭「・・・独自にして独創的・革新的な研究を発表し、将来的な発展を期待し得る研究者。・・・」とあるが、本賞の設立当初からの考え方:独立を助ける.独立したてを助ける.といった捉え方でよいのではないか。

審議の結果、本理事会において上記3点の確認がなされ、さらに次年度より募集要項と推薦書については以下のとおり、一部を変更することが決定された。

   ●変更点1. 推薦書式の最終頁・最尾に、項目「日本分子生物学会年会での発表実績 直近5年程度を目安に記載して下さい。」を追加.

   ●変更点2. 募集要項1. 対象 に記載のある
  本学会員歴5年以上の研究者を・・・。
             ↓
  本学会員歴通算5年以上の研究者を・・・。 (「通算」を追加.)
 

3)各種学術賞、研究助成候補への学会推薦状況について
相沢賞推薦委員(小安委員長代理)より、2011年に本学会より推薦した各種学術賞について報告がなされた。引き続き、西田栄介研究助成選考委員長より、2011年の研究助成推薦状況と結果等について報告が行われた。
 

4)久保田健夫世話人より、第12回(2012年)春季シンポジウムの開催概要の報告がなされた。
・テーマ:「トランスレーショナル分子生物学 ~新世代への知の継承~」
・会 期:2012年4月25日(水)~26日(木)
・会 場:石和温泉 慶山
 2012年の春季シンポジウムは、1泊2日の合宿形式で開催する。若い研究者の範となるような分子生物学のトップランナーに講師を依頼し、さらにポスター討論のディスカッサー役も担ってもらう予定で企画を進めている。プログラム内容は、基調講演2題(東医歯大 石野史敏 氏、東大 一條秀憲 氏)と招待講演12題を予定している。
 4月21日(土)には、コラニー文化ホール(山梨県立県民文化ホール)において、「からだと健康を知る最先端の技術」をテーマに市民公開講座を開催する予定である。
 

5)花岡文雄第34回年会長より配付資料に基づき準備状況の報告がなされた。一般演題投稿数は3,462題(うちLate-breaking abstracts投稿は179題)、一般演題申込者のうち口頭発表への採択件数1,100題、事前参加登録は5,119名(うち参加登録費免除となった震災被災学生会員は111名)となり、順調に準備が進んでいる。展示企業の小間数は直近の単独開催年会より若干増え484小間(NBRP、NDBC を含む)となり、バイオテクノロジーセミナー(ランチョンセミナー)は25枠となった。
 本年会はキャッチコピー「分子からヒトへ -メカニズムを知り、コントロールする-」のもと、「基礎研究と応用研究の基軸としての分子生物学」をテーマに以下のとおりにプログラムを企画した。

  ●One Day 集会
各日ごとにテーマをくくった研究集会が複数並行して進行し、それぞれ一定の完結性をもった研究集会のように運営されるといったイメージで行うこととした。

  ●一般演題の重視
一般演題の中で、口頭発表を希望するものをプログラム委員が「一般講演」として、1,100題を採択した(一般演題のおよそ3割)。

  ●国際性の向上

   ・シンポジウム、ワークショップの英語化
シンポジウムおよびワークショップともに英語で講演を行うこととした。ただし、質疑応答に関しては、シンポジウムは英語、ワークショップはオーガナイザーに任せることとした。

   ・要旨の英文執筆推奨
シンポジウムおよびワークショップともに要旨は英語で執筆することとした。また、一般演題においても英語での要旨執筆を推奨し、投稿された演題の英文執筆率は53.4%となった(32回年会は55.5%)。

  ●社会性の推進

   ・男女共同参画企画ランチョンワークショップ

   ・若手教育シンポジウム

  ●ITの積極活用

   ・オンライン講演要旨集
本年会においても、引き続き、講演要旨集はオンライン化し、印刷物やCD-ROMは作成していない。参加登録者はID・パスワードを用いて、オンライン上でプログラムおよび要旨の閲覧・検索・ダウンロードを可能とした。

  ●プログラム企画

   ・Leading Edge セミナー
  ここ数年、顕著な業績をあげている研究者による特別講演。海外から3名の講演者を招聘。

   ・Early Bird セミナー
  我が国の分子生物学研究において偉大な功績を残された先輩方に、裏話を含め研究秘話を語ってもらう。

   ・特別企画シンポジウム「HFSPシンポジウム」
  HFSPについて理解を深めてもらうように、HFSPを受賞した日本人研究者による講演を行う。

   ・特別企画展示「ナショナルバイオリソースプロジェクト」(NBRP)

   ・特別企画展示「使ってみようバイオデータベースつながるデータ、広がる世界」(NBDC)ゲノム、タンパク質、文献などのデータ種類ごとのデータベース、ヒト、植物などの生物種ごとのデータベース、また、それらを構築したり解析したりするためのツールや情報技術について、配布資料やデモを使って紹介する。

   ・市民公開講座「心とからだの生物学-明日のために分子生物学にできること-」
大谷直子氏(がん研究所)、竹居光太郎氏(横浜市大)、森郁恵氏(名大)、上田泰己氏(理研CDB)の4名の講師による講演に、JT生命誌研究館の中村桂子館長の司会を織り交ぜて、年会最終日(16日)にメインホール(第1会場)で開催する。
 

6)阿形清和第35回年会長より配付資料に基づき、第35回年会開催企画案についての報告がなされた。

・会  期:2012年12月11日(火)~14日(金)
・会  場:福岡国際会議場、福岡サンパレス、マリンメッセ福岡
・年会組織:年会長 阿形清和(京大)、
組織委員長 諸橋憲一郎(九大)、
プログラム委員長 篠原 彰(阪大)、
プログラム副委員長 見学美根子(京大)、
財務・渉外委員長 小安重夫(慶應大)、
運営・庶務委員長 巌佐 庸(九大)

   【開催方式】
 本年会は福岡での開催となるが、生化学会大会が同じ時期に福岡で開催されることとなり、生化学会の藤木大会長と協議し、単独&連続開催方式を採用することとなった。
 具体的には、2012年12月11日(火)~14日(金)の午前までが分子生物学会年会(市民公開講座は14日の午後にメインホールにて開催)、同日午後から16日(日)までが生化学会大会となる予定である。それぞれの学会が特色を出すことに力を入れるとともに、同じ会場での単独・連続開催をすることにより、双方の学会員が学会のあり方について考える機会となり、学会の立ち位置を認識できればと考えている。
 なお、連続開催をすることで、企業展示会場の小間の設営や撤去にかかわる人件費や運搬費の削減を図りたいとの報告がなされた。

   【年会のコンセプトと運営】
キャッチコピー『~年会の新しいスタイルを模索する~』
 第35回年会では、将来の年会モデルを構築することが重要なミッションと考え、単独開催で小回りが利く点を活かし、積極的にIT化を取り入れることで年会において会員間の新たなコミュニケーション方法の創出を図ることを検討している。
 シンポジウムを一本化することで普段聞けない話を聞く機会を提供して、ブレインストーミングの場を造りたい。また、ポスター発表者のショートプレゼンテーションのための特別会場を設置し、若手がFace to Faceで議論し、様々な刺激を受けられる年会を目指したい。
 そこで、運営については、複数の運営会社によるプレゼン(入札)を行い、上記コンセプトの実現に向け、日本コンベンションサービスを年会運営会社に選定した。収入の半分以上を占める企業展示に関する業務については、生化学会と同じく、エー・イー企画を選定し、両学会が共有する展示会場部分の運営をスムーズに行うとともに、経費の削減を試みたい。
引き続き、資料に基づき、使用予定会場とポスター(案)についても詳細説明が行われた。
 

7)上村 匡編集幹事より、配布資料に基づき、学会誌『Genes to Cells』の編集報告が行われた。
 生命科学のあらゆる分野、そして理論解析やフィールドワークを含む多様なアプローチなど、幅広い分野の研究者から論文を投稿してもらえるように、投稿規程を大幅に改訂した。10月には、加藤茂明氏(東大・分生研)、島本 功氏(奈良先端大)、森 和俊氏(京大)の3名に、Associate Editorとして新たに加わってもらった(国内の編集委員は計75名)。
 本年1月号より一新した『Genes to Cells』の表紙デザインは購読者からも好評を博しており、2012年も日本の伝統絵画の中に生命科学の遊び心を加えた表紙の制作を継続していく予定である(2011年の表紙/cover art一覧を資料配布)。
 また、出版社からは2010年分の収支報告を受けており、学会誌発行に掛かる収支は安定しているものの、突然の担当者変更などいくつかの問題点もあり、その状況につき説明がなされた。
 さらに資料に基づき、Online投稿数一覧(2003-2011)、各年月別投稿数、国別Accept & Reject率についての報告が行われ、投稿を増やすための方策等につき意見交換された。出席者よりさらなる新しい企画についての質問が出され、編集委員会ではミーティングレポート等の掲載も検討中であることが報告された。理事会関係者においては積極的な投稿をお願いしたい旨、上村編集幹事より依頼がなされた。
 

8)後藤由季子男女共同参画委員長より、年会初日の12月13日に開催される、ランチョンワークショップ「全員参加の生命科学研究を目指して」が紹介された(参加者の意見をそのままリアルタイムで表示できるレスポンスシステムを導入)。理事各位においてはぜひ参加してほしいとの要請がなされた。
 2009年より実施している調査活動であるが、本年度の第34回年会においても、一般演題発表者、シンポジウム/ワークショップのスピーカー、シンポジウム/ワークショップのオーガナイザーそれぞれの属性調査(男女比、年齢層分布、男女別職階分布)を行ったことが報告され、その属性統計資料が配付された。今年度は一般演題からの口頭発表希望者割合の集計も行っており、集計結果資料は会場内の複数の場所で配布し、同時に広報ポスターも掲示される予定である。今後も経年的変化を評価するために本調査を継続していきたいとの説明がなされた。
 

9)学術事業企画委員会報告(学会創立30周年記念出版事業)
 永田恭介学術事業企画委員長より、本企画3部作の3冊目となる“21世紀の分子生物学”が、本年会に印刷が間に合い、展示会場(書籍コーナー)での販売も開始される旨報告された(見本誌・回覧)。年会会期中、3部作については、東京化学同人ブースにてセット特別価格(5,000円)で頒布されることになっている。

   ●“なぜなぜ生物学”2010年12月刊行
新書判 縦組 202ページ(定価1,470円 会員価格1,250円)

   ●“分子生物学に魅せられた人々”2011年6月刊行
四六判 縦組 232ページ(定価1,680円 会員価格1,400円)

   ●“21世紀の分子生物学”2011年12月刊行
A5判 横組 2色刷 288ページ(定価3,360円 会員価格2,850円)
 

10)富澤基金・基金運営委員会報告
小原雄治基金運営委員(山本正幸基金運営委員長代理)より、富澤基金による第1回(2011年)日本分子生物学会 若手研究助成の結果につき、その概要が報告された。

  (ⅰ)広報:
・2010年11月発行の会報97号にお知らせ(予告)を掲載.
・2011年12月、第33回年会会場にて広報ポスターを掲示.総会にて正式発表.文科省記者会にプレスリリースを行い、同時に主たる全国の研究施設へ案内資料を発送.
・2011年12月下旬、第1回募集のお知らせ詳細をHPに公開、同時に全会員へメール配信.

  (ⅱ)第1回応募の受付期間: 2011年1月7日~31日

  (ⅲ)応募総数:223件

  (ⅳ)選考:
・第1次審査:書類審査
・第2次審査:10名を対象にヒアリングを実施(当初ヒアリングが予定されていた3/18は震災の影響で延期.5/29に審査員全員出席のもとにヒアリングを実施、第1回助成者を決定.)

  (ⅴ)助成金支払い:
5/31助成者6名へ決定通知を発送.同時に個々に経理取扱いを確認し、7月上旬までに6名全員への支払いを完了した.6名のうち4名が委任経理扱いであった.1名は全額を個人の一時所得扱いとされ、残る1名は50万円のみを一時所得とし250万円を委任経理扱いとされた.

  (ⅵ)記者会見:
7/13 虎ノ門にて、記者会見『日本分子生物学会 若手研究助成 富澤基金の発足と、分子生物学会若手研究助成事業報告』を行った.
発表者:山本基金運営委員長、富澤純一博士、小原理事長(司会進行/兼)
プレス参加:約10社

  (Ⅶ)審査経過と第1回助成対象者:
審査経過については、会報99号(2011年7月号)に結果報告を掲載済みであるので参照されたい。第1回若手研究助成の助成対象者は以下のとおりである。

   ○ 植木 紀子 Bielefeld University,Germany(博士研究員)
研究題目「緑藻ボルボックス目の多細胞化に伴う走光性の進化:改良トランスポゾンタギング法による機能欠損変異体作製と遺伝子機能解析」

   ○ 大澤志津江 神戸大学大学院医学研究科 細胞生物学G-COE(G-COE研究員)
研究題目「細胞競合の分子機構の遺伝学的解析」

   ○ 久原  篤 甲南大学理工学部生物学科(講師)
研究題目「線虫C. エレガンスをもちいた環境情報の識別と適応の分子機構の解析」

   ○ 佐野 浩子 お茶の水女子大学 お茶大アカデミック・プロダクション(特任助教)
研究題目「ショウジョウバエのfat bodyを用いた脂質代謝制御および内分泌機能の解析」

   ○ 茶谷 絵理 神戸大学大学院理学研究科化学専攻(准教授)
研究題目「アミロイドーシスの伝播を担うアミロイド自己複製反応機構の解明と制御」

   ○ 丹羽 隆介 筑波大学大学院生命環境科学研究科(助教)
研究題目「セロトニン産生神経依存的なステロイドホルモン生合成制御と発育プログラムの適応的調節」
 

11)白髭克彦若手教育問題ワーキンググループ座長より、年会2日目の12月14日、ランチョンセミナー形式で、若手教育ランチョンセミナー2011「研究者として独立するには?」が開催されることが報告された。第一部では「偶然と幸運から生まれたiPS細胞」と題して、山中伸弥氏(京大)による講演を行う。第二部は「研究モラルとラボルール」をテーマに、隅藏康一氏(政策研究大学院大学)を招き、WG委員がパネリストとなり、参加者の意見をそのままリアルタイムで表示できるレスポンスシステム(クリッカー200台を用意)を使用し、相互討論ができる企画となっていることが報告された。
 

12)その他

  ・通常総会/議事進行と報告担当者の確認

  ・第1回富澤基金贈呈式について
 小原理事長より、今年は“開かれた”総会を目指し、ポスター展示会場・休憩コーナー内に特設会場を設置して総会を開催することが報告された。総会終了後には第1回富澤基金贈呈式が行われる予定である。理事会関係者においても多数参加してほしいとの要請がなされた。
 引き続き、石野庶務幹事より、第34回通常総会資料についての説明がなされ、総会当日の議事進行ならびに報告担当者の確認が行われた。
 

2.審議事項
 

1)2011年度(平成23年度)収支決算承認の件  塩見春彦会計幹事欠席のため、会計幹事代理として事務局(福田 博)より2011年度(平成23年度)会計の収支について説明がなされた。黒字決算となったポイントは、①年会会計(BMB2010決算の分子生物学会扱い分の収支繰入)と②Genes to Cellsの出版社からの総利益折半の精算収入.の2点である。各科目についての説明がなされた後、「日本分子生物学会 若手研究助成 富澤純一・桂子 基金会計」についての決算報告がなされた。一般会計における会計上のマイナス要因として、会費収入の落ち込みがあるが、これは被災された学生会員からの被災申請に対して2011年度入会金と会費を免除したことが要因の1つであり、さらに全体的な会費納入率もやや下がってはいるが、会員数そのものは若干増えているので、来年度は復調する見通しである。
 本決算においては、消費税約127万円を納め、その他の税務処理については、顧問契約を交わしている税務専門家の指示のもと、収益事業部分の法人確定申告を行った。本決算は、11月4日に宮城秀敏公認会計士の監査を受け、配付資料のとおり監査報告書が提示されている。
 財務諸表一式の説明がなされた後に、町田泰則監事より、11月15日、勝木元也監事とともに学会事務所にて会計監査を実施し、金融機関の残高証明書等を一式確認し、23年度決算を認めたことの報告がなされた。
 審議の結果、本決算は理事会で承認され、第34回通常総会に諮られることとなった。
 

2)国際会議支援について
 先ず初めに、小原理事長より、2010年12月に第16期理事会から申し送られた将来計画検討委員会提言についての説明がなされた。第16期将来計画検討委員会より、国際対応の一環として、今後、あらたな国際シンポジウム企画(国際会議開催の支援を含む)を立ち上げていくことが提案されており、その具体的な内容は次のようなものであった。
・シンポジウムセッションとしては3件程度(予算の目安は300万円×3テーマ)、うち1~2つは年会開催時に独立したサテライト扱いの位置付けとする。
・年会サテライトの場合は、年会前日の2日程度を想定しており、可能な限り、年会で確保している会場を融通させてもらう。
・現行の春季シンポジウムは発展的休止扱いとし、あらたな国際会議開催(国際会議支援)は、理事会からの世話人指名ではなく公募形式に変えていく。
(*「第16期 将来計画検討委員会 提言」の詳細については、学会HP→ 理事会報告ページ https://www.mbsj.jp/admins/index.htmlを参照.)
 以上の第16期将来計画検討委員会提言を受けて、執行部では、この秋、メール持ち回りによる検討を重ね、11月15日に学会事務所にて執行部会議を開き、【国際会議支援について】(案)を作成したことが報告された。
 引き続き、執行部メンバーである篠原彰広報幹事より配付資料4点(①国際会議支援について(執行部提案)、②国際会議支援(開催補助金)申請書、③JTB西日本/国際会議トータル支援システム提案資料(利用料金とシステムAMARYSの概要)、④契約書案の詳細説明がなされた。支援システムを依頼する会社については、事務局が候補4社の資料と見積りを集めた結果、執行部では、もっともリーズナブルかつサポートメニューが豊富であったJTB西日本を第一候補会社に選定した。執行部案の概要は以下のとおりである。
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【国際会議支援について】(案)

科学のグローバル化が進む一方で、国際会議を通しての情報の交換は科学の大きな必須手段の1つとなっている。しかし、日本で開催される、質の高い国際会議の数は増えていない状況がある。また、関連分野の最新の研究に若い時から接することは優秀な研究者を育てる上で要の1つと考えられる。本支援は、日本(あるいはアジア)発のoriginalityの高い国際会議を育て、サポートすること、日本発の研究を世界に向けて発信する場を設けることを目的とする。

   ■募集要件

    1.テーマ:分子生物学の分野ならどのような分野でも可-新しい領域、外国では見受けられないユニークなテーマが望ましい。

    2.開催規模:参加人数は50名以上200名程度までとし、そのうち外国からの参加者が20~30%いること、さらに口頭発表者の中で外国人が3割以上を占めることが望ましい。

    3.開催の形式:
1)分子生物学会会員が主催者あるいは共同主催者であること。教育・研究機関の主催、研究費主催のものは除く。
2)共催:他の団体との共催は可とするが、その場合、参加費に関して分子生物学会会員価格(特に学生会員を考慮されたい)が設定されていることが望ましい。

    4.留意事項:
1)できる限り、国内の若手研究者の口頭発表の機会を作ることが望ましい。
2)本学会年会のサテライト会議とすることが望まれるが、他の時期・場所での開催も可能とする。
3)会議開催に際しては、分子生物学会が用意している支援システム(JTB西日本による国際会議トータル支援システムを長期契約のもとに割安価格で使用)、①基本システム代金:23万円(事前参加登録受付・演題投稿受付・カード決済等の基本システム設定)、②オプション/メインHP代金:25万円(全体デザイン・ページレイアウト・サーバ管理12ケ月・更新メンテナンス12ケ月)、③オプション/オンライン査読システム:8万円、④オプションその他、のうち 基本システム①を必ず使用することを応募条件とする。
4)支援が決定した後は、主催者は各種の報告書・広報ポスター・国際会議HP等に本学会からの支援を受けて開催されることを、表示する義務を負うものとする。
5)残金が出た場合、補助金の返還を求めることがある。

   ■開催補助金と件数
援助する金額は、一件あたり200万円~300万円。年間2~3件(うち1~2件は年会サテライト扱いでの開催申請を想定)。開催期間・参加予定人数によって金額の変動あり。学術振興会の国際会議等の大型支援を助成された場合は多少の減額あり。
(補助金の使用用途は限定せず自由度を持つものとする。他経費で補えないものが望ましい。ただし国際会議終了後、本学会への会計報告(収支決算書概要)提出の義務を有する。また、分子生物学会の支援を受けたことをHP、要旨集などに明記する。)

   ■応募方法
所定の申請書に、国際会議の目的、形態、予定講演者、おおよその予算規模と使用用途等を記載し、学会へ提出する。

   ■スケジュール
原則として2年前に公募を行う。
* 同支援制度導入の初年度は、2013年(2013年1~12月開催)計画の応募を下記スケジュールにて受け付ける。
○2012年2月下旬:会報2月号と学会HPにて広報
○2012年3月末:応募締切
○2012年4月:選考 【2013年の支援は導入初年度であるため開催約1年前に交付】
○2012年5月下旬:補助金の交付・・・2012年の学会予算より支出
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* 2014年(1~12月)計画の応募については下記スケジュールを予定とする。
○2012年6月下旬:会報6月号と学会HPにて広報
○2012年8月末:応募締切
○2012年9~10月:選考 【2014年の支援より、開催の1年半前には採択決定】
○2012年11月:補助金の交付・・・2013年の学会予算より支出

   ■選考
国際会議支援・選考委員会(仮称)において選考し、理事長承認のもとに決定する。
(案:理事会内に新規に国際会議支援・選考委員会を立ち上げる)

   ■その他
国際会議トータル支援システム(JTB西日本)について、本支援事業とは別に、システムのみを使用したいとの要望があった場合、分子生物学会員であれば同額での利用が可能である。ただしその場合は、直接JTBに申し込むのではなく、一旦、学会を経由(学会事務局が中継手続き)して、申込みをしてもらうこととなる。また、分子生物学会の支援(システム利用)を受けたことをHP、要旨集などに明記してもらう。
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 篠原広報幹事による説明の後、討議に入り、活発な意見交換がなされた。本事業のポリシーをもっとはっきりさせたほうが良いのではないか、ぜひ若い人に応募(挑戦)してもらいたい、求めているものが多すぎるように思うが基本コンセプトはどこにあるのか、あらたな支援事業にしなくとも毎年の年会プログラムの中にこのような公募形式の国際会議を自動的に組みこむことはできないのか、日本発のプレステージの高い国際会議を育てていくことは非常に大事である、若い人の背中を押してあげるのはとても良いだろう、先ずはこの新しい試みにトライしてみてはどうか、関連して将来的に学会事務局にもグローバル対応できる人員増員の強化をはかるべきだ、等々、多くの意見が出された。
審議の結果、若い人へのチャンスを増やすことは本学会の使命であろう.との認識で一致し、本国際会議支援事業を実行に移していくことが決定された。今後の具体的な手続き・スケジュールについても承認された。選考実務については提案通り、あらたに「国際会議支援・選考委員会」を立ち上げることとし、その人選については小原理事長に一任された。
 

3)2012年度(平成24年度)収支予算ならびに事業計画承認の件
塩見会計幹事の代理として事務局より2012年度(平成24年度)の収支予算案、事業計画につき説明が行われた。国際会議支援事業(上記、審議事項2)が承認され、その補助金が2012年度予算案に反映されたため、2012年度会計においては、国際会議補助金と2012年春季シンポジウム開催経費の支出が単年度会計内で重複することとなり、2012年度会計においては661万円の赤字予算を編成することとなるが、次年度以降の収支は改善される見通しである。
審議の結果、同収支予算ならびに事業計画は理事会で承認され、第34回通常総会に諮られることとなった。
 

4)定款変更の件
3.11地震の影響を受け、学会事務所が入居していたビルにかなりの実害(各階に廊下を横断する多くのクラックが入った)があったことが、小原理事長より報告された。4月8日、小原理事長、石野庶務幹事による旧ビルの実地見分の後、早急に移転先が検討され、比較的近い場所にあり耐震基準を満たしているビルへの引越しを決定し、学会事務所は4月28日に移転した。
手続き上、事後承認の形となったが、下記のとおり、定款 第2条 事務所所在地変更が諮られ、承認された。

 特定非営利活動法人 日本分子生物学会 定款(抜粋)
第1章 総 則
(事務所)
第2条
(旧)  この法人は、主たる事務所を東京都千代田区飯田橋3丁目11番5号
  20山京ビル1105号室に置く。
         ↓
(変更) この法人は、主たる事務所を東京都千代田区飯田橋2丁目11番5号
  人材開発ビル4階に置く。
 

5)第36回(2013年)年会長について
小原理事長より、第36回年会については、年会長を大阪大学大学院生命機能研究科 近藤 滋会員に依頼したいことが諮られ、承認された。(開催地:神戸、会期:2013年12月3日(火)~6日(金)/会場については事務局にて3年前に確保済み)
 

6)社会との関わり・社会貢献活動について(執行部提案)
- 来年度からの高校の新学習指導要領実施に関連して -
“社会との関わり”については、前期第16期将来計画検討委員会でも議論を重ねてきた案件であるが、来年度からの高校新学習指導要領実施に関連して、本執行部において検討作業を復活したことが小原理事長より報告された。
 引き続き、篠原広報幹事より配付資料に基づき、以下のとおりに詳細説明がなされた。
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   ≪社会との連係について≫
本学会の社会貢献の1つとして高校(や中学)との連係が考えられる。最先端の分子生物学の情報を、将来を担う高校生に普及することは科学者の役割として重要なことと考えられる。来年度から高校の生物の教科書が大幅に改定され、分子生物学が中心となるようである。一方、高校の教師は新しく導入された分子生物学の領域についての知識などが不足していて、教えることに対しての不安を抱く教師もいる。
 一方で、学会や研究者と高校の連係は各研究機関の繋がり、個人的な繋がりによっていて、強いとは言えず、また、恩恵を受ける場合とそうでない場合の格差が大きいのが実情である。
 分子生物学会が主体となって、研究者と高校の連係を図るネットワーク、リソースを構築していくことが重要となろう。
●具体的な方法案

    1.分子生物学会の全会員に呼びかけ、高校などに出前講義や高校の教師向けの講義を行ってもよい研究者を募り、データベースを地域毎に作成する。

    2.本学会の全会員に呼びかけ、SSHなどの高校の教師などの知り合いを紹介してもらうなどをして、高校とのネットワークを作成する。

    3.学会HPやメールなどを使い、高校などに広く、講義などの希望を募る。希望に応じて適当な講師を上記のデータベースから紹介する。適任者がいない場合は、他地域からの紹介も行う。

    4.基本的に学会はマッチングを行う。出張に関わる経費は当事者(研究者あるいは、高校側)の負担とする。双方に経費が無い場合は、条件によっては学会がサポートする。

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 引き続き、石野庶務幹事より改定版教科書(改定案/冊子)の中身について補足説明がなされた。これに関連して、年会に積極的に高校生(教員と生徒)を招待したらどうかとの意見が提出された。(*明日からの年会において、引率の教師+高校生、計 約20名の参加(学会見学)が予定されていることが花岡年会長より報告された。高校生招待については第35回年会でもぜひ対応していきたい旨、阿形35回年会長からも意見が提出された)
 討議の結果、執行部案は了承され、本事業については、石野庶務幹事と篠原広報幹事が中心となり具体的作業を進めていくこととなった。
 

7)日本語オンラインジャーナル企画・DBCLS提案への対応
 篠原広報幹事より、配付資料に基づき、学会発 日本語オンラインジャーナル企画案(2011年10月 再改訂版)について、経緯と資料説明が行われた。前期の理事会においても、幾度か、PNEに代わるオンラインジャーナル(日本語の総合レビュー誌)について議論されてきたが、関連分野の他学会同様、本学会もその対応については慎重に様子をみてきた経緯がある。
 今年度に入って、先方より再度の検討依頼の連絡を受け、10月6日、学会事務所において、DBCLS・飯田啓介氏、石野庶務幹事、篠原広報幹事(事務局の福田・並木も同席)にて打合せの場を持った。
話し合いの結果、学会執行部としては、

   1.学生や若い人向けの日本語のレビュージャーナルの発行というコンセプトには賛成できる.

   2.学会の連合体制による編集委員会では、さまざまな利害関係を生みやすいので、学会単位での参画ではなく、オンラインジャーナルの編集委員会が正式に立ち上がる(協力学会が編集委員を推薦し、編集委員会を立ち上げてもらう)方法が妥当であろう.

   3.学会としてはジャーナルに対して中立性を堅持することが最も重要である.

以上の参考意見を提出した。その結果、再改訂版として飯田氏より提出されてきたものが、本日の配布資料である。篠原広報幹事による報告の後、元PNE編集委員であった貝淵弘三理事からも補足説明がなされ、さらに小原理事長よりDBCLSでの本事業の状況についても説明が行なわれた。
 討議の結果、本学会の対応としては、立上げ時の編集委員の推薦(1~2名)といったことのみであるので、基本的に本事業に協力していくことが確認され、その旨、をDBCLS・飯田氏へ回答することとなった。
 

8)科学政策懇談会からの報告、提言、今後の活動について
中山敬一理事より、今期、科学政策懇談会を開催するに至った経緯につき、説明がなされた。ことの発端は、本年1月の学術会議会員候補者/推薦依頼に関してのメール持ち回り審議であったが、1~2月の理事会メンバー・メール討論を経て、その後、3月7日と5月31日の2度に亘り、東京において、科学政策懇談会を行なった。同懇談会の構成メンバーは以下のとおりであった。
【分子生物学会・科学政策懇談会】

   ・コアメンバー:中山敬一世話人、篠原彰広報幹事、阿形清和理事、貝淵弘三理事、小安重夫理事、水島昇理事

   ・シニアメンバー:小原雄治理事長、田中啓二理事、谷口維紹理事、柳田充弘理事

 懇談会での議論は中山世話人によって、提言の形で以下のように取りまとめられ、同提言資料に基づき、詳細説明がなされた(提言は懇談会メンバーの確認作業を経ている)。
≪分子生物学会・科学政策懇談会 提言≫
「科学者がどのように科学政策に関与していくべきか?分子生物学会としてのあり方について」(平成23年12月12日)
 提言資料の構成は、○緒言、○基本スタンス、○提言より成っており、提言部分の概要は次のとおりである。
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○提言

   (1)分子生物学会・理事会の下に、「科学政策委員会」を設置し、その下に「研究環境・次世代教育ワーキンググループ」と「科学政策提言戦略ワーキンググループ」の二つを設置する。

   (2)「科学政策委員会」は非常設とし、二つのワーキンググループの調整や大きな立場からの問題解決が必要となった場合に、適宜会合を開いて議論する。(※1)

   (3)「研究環境・次世代教育ワーキンググループ」では研究・教育に関わる多くの問題について討議する。叩き台としての提言を作成すると共に、それを具現化する方法論を考える。(※2)

   (4)「科学政策提言戦略ワーキンググループ」では、現在の科学者サイドからの科学政策提言を行う枠組みの問題点を洗い出し、その解決法について討議する。叩き台としての提言を作成すると共に、それを具現化する方法論を考える。(※3)

   (5)一年間で集中的に討議し、次回の年会においてフォーラムを行い、広く会員に周知するような中間報告を行う。

    ※1「科学政策委員会」のメンバーは、現在の懇談会メンバーをそのまま委嘱する。

    ※2 メンバーは篠原理事(教育担当議長)・水島理事(研究担当議長)・貝淵理事・中山理事 + 数名(基本的には理事から選出)。

    ※3 メンバーは阿形理事・小安理事・中山理事 + 数名(基本的には理事から選出)。(小原理事長はオブザーバーとして参画することとなった)

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 中山理事による説明の後、討議に入り、活発な意見交換がなされた。研究環境・次世代教育WGはいわばアイデア(具体的な提言)を作るといった位置付けであり、科学政策提言戦略WGはどのアイデアを通していくか、どういった経路で上へ(国の組織へ)へ上げていくか(戦略)といった位置付けである。関連して、石野庶務幹事より、第32回年会開催時(2009年12月)に行われた緊急フォーラム「事業仕分けから日本の未来の科学を考える」で経験した、科学者側からの意見表明の重要性についての説明がなされた。
 審議の結果、本理事会としては同提言を承認し、懇談会メンバーを科学政策委員会とし、二つのワーキンググループ活動をサポートしていくことを決定した。WGメンバーに追加すべき理事若干名の人選については、中山世話人と小原理事長に一任された。

上記、第17期第2回理事会の議決および確認事項を明確にするため、この議事録を作成し、議事録署名人はここに記名押印する。

2011年12月12日

特定非営利活動法人 日本分子生物学会 第17期第2回理事会

議長小 原 雄 治
議事録署名人 後 藤 由季子
議事録署名人中 山 敬 一