日 時:平成25年12月4日(水)17:00~17:40
場 所:神戸国際展示場2号館1階(展示会場1)特設会場
社員数(正会員+名誉会員):9,425名
出席者数:4,952名(本人出席75名、表決委任者4,877名)
議事内容:
1.定款第25条に基づき、大隅典子理事長より本総会議長として塩見春彦会員が指名された。さらに定款第29条に基づき、議事録署名は、小安重夫会員(第37回年会長兼)と大隅理事長が担当することが確認された。
2.塩見議長より、定款第26条(総会の定足数)に基づき、上記表決委任者(委任状)を含めて出席4,952名となり、本総会は成立する旨報告された。
3.経過報告(事業報告)
1)理事長報告
大隅理事長より、総会資料(1頁:2013年度事業報告)に基づき、事業活動全般と、さらに下記3点につき報告が行われた。
①学会運営の組織体制などについて
第18期理事会の役割分担、各種委員会体制につき説明がなされ、今期よりキャリアパス委員会(委員長:塩見美喜子理事)が発足し、活発に活動を行っていることが報告された。
・研究倫理委員会の委員長には前理事長である小原雄治副理事長が就任し、前期から継続している研究倫理問題の対応に当たってもらっている。
・篠原彰担当理事のもと、生命科学教育事業として、高校などへの講師派遣を行っている。
②第38回(2015年)年会長について
12月2日に開催された第18期第3回理事会において、第38回年会については、影山龍一郎会員(京都大学)に年会長をお願いすることが決定した。
③「日本版NIH」構想について
5月に公開された「日本版NIHの骨子」に対し、6月10日付で生命科学系6学会との連名で『健康医療分野における研究助成のあり方について(緊急声明)-「日本版NIH」構想と裾野の広い基礎研究の必要性-』、6月11日付で生物科学学会連合加盟団体の一員として『(緊急声明)「日本版NIH」構想における資源配分と人材育成プロセスへの懸念』の緊急声明発表を行った。これらの行動はある程度効果的であったと思われるが、なお予断を許さない状況である。
2)庶務報告
本間美和子庶務幹事より以下の報告が行われた。
・会員現況:〔2013年11月25日現在〕 名誉会員1名、正会員9,424名、学生会員4,587名、賛助会員29団体、総計14,041名(前年12月対比、-1,240)
・広報活動:2月にfacebookの運用を開始した。8月1日より学会ホームページをリニューアルし、11月に学会案内パンフレットの改訂を行った。ホームページについては、アクセスの多い月は4万件/月を超えることが報告された。
・従来の細則では理事会の成立要件がはっきりしていないとの意見を受け、第18期第3回理事会(12月2日開催)において、以下のとおり、細則第8条を改正したことが報告された。
○特定非営利活動法人 日本分子生物学会 細則
第4章 理事会
第8条
【改正前】
理事会は、表決権を有する構成員の過半数の賛成により成立する。また、やむを得ない事由のため理事会に出席できない構成員は、委任状により表決することができる。
【改正後】
理事会成立のための定足数、ならびに議決(メール審議を含む)について次のように定める。
1)理事会は、理事の過半数の出席(委任状を含む)をもって成立する。
2)審議事項の議決は、出席理事の過半数をもって決し、可否同数の場合は議長(理事長)が決定するものとする。
3)理事会の議決を要する事項について、日程的都合等により理事会を開催することが困難であると理事長が判断した場合は、「持ち回り理事会(メール審議)」にて審議を行うことができる。持ち回り理事会は、定められた期限までに理事の過半数の回答者数があることを成立の条件とする。
4)持ち回り理事会の議決は、回答した理事の過半数により決するものとし、可否同数の場合は理事長が決定する。
3)編集『Genes to Cells』報告
上村 匡編集幹事より『Genes to Cells』の刊行状況につき以下の報告がなされた。
・新しい投稿規定が浸透しつつあり、投稿数も安定してきている。従来の分子生物学中心のものはもちろん、理論や方法論、マクロなども含めた生命科学の全分野にわたって投稿を受け付けている。またアソシエイトエディターからの提案を受けて、見開きのものなどショートフォーマットの投稿を受け付けることも検討している。会員各位においては引き続き、積極的な投稿・提案をお願いしたい。
・2011年より一新した表紙デザインは高い評価を得ており、他誌からも問い合わせを受けるようになった。引き続き日本の伝統絵画の中に生命科学の遊び心を加えた表紙デザインの制作を継続していきたい(スライド:2013年の表紙/cover art一覧)。また、第36回年会においてアート企画の一環としてカバーアート展示が行われており、この展示は表紙の制作過程も知ることができる内容となっているので、ぜひご覧いただきたい。
・『Genes to Cells』において初めて論文の撤回が行われた。撤回した論文は4本。責任著者から編集長へ撤回したい旨の申し入れがなされ、編集長・出版社・責任著者の三者がそれぞれの論文のどこにどのような問題があるのかを確認し合意するという手続きを取った。既にジャーナルのホームページには詳細な報告を掲載しており、会員へは本総会の翌週に、同報告を含めた12月号の目次メール配信を行う予定である。
4)研究倫理委員会報告
小原雄治研究倫理委員長より、研究倫理問題の動きについて以下の報告がなされた。
・本年3月に臨時理事会を開催し、その内容を受けて、論文不正防止のため積極的な対策をとることを確認し、会員各位への経過報告と今後の理事会方針をまとめた「研究倫理に関する理事長報告および理事会声明」を発表した(H25.6.12)。
・第36回年会企画(研究倫理・論文問題)に関するアンケートを実施し(H25.6)、その集計結果報告をホームページに公開した(H25.8.28)。
・加藤元教授の論文問題に関する本年7月25日付の新聞報道を受けて、事実関係の調査と結果公表を重ねて求める「論文不正問題に関する要望書」を東京大学に提出した(H25.8.7)。その後、東京大学より受理した「論文不正問題に関する回答書(H25.10.17付)」をホームページに公開した。同大学としては先述の報道が行われたことやその内容は本意ではないとしている。
・本年会会期中に6つのテーマによるセッションからなる理事会企画フォーラム「研究公正性の確保のために今何をすべきか?」を開催し、活発な議論を行っている。東京大学からの調査結果発表が行われたことを想定し企画していたセッションもあったが、残念ながらまだ発表がないので、そちらは発表があり次第、引き続き、学会対応を検討していきたい。
4.議 事
1)平成25年度(2013年度)収支決算承認の件
後藤由季子会計幹事より総会資料(2~10頁)に基づき、平成25年度決算の収支内容につき詳細報告が行われた。本決算の監査については、以下のように報告された。
2013年10月28日、公認会計士 宮城秀敏氏の会計監査を受け(総会資料の独立監査人の監査報告書を参照)、同年11月8日に、郷通子監事、永田恭介監事の監査を受けた。
審議の結果、本決算は異議なく承認された。
2)平成26年度(2014年度)収支予算ならびに事業計画承認の件
後藤会計幹事より総会資料(11~12頁)に基づき、26年度の収支予算案、事業計画につき説明が行われた。
審議の結果、同収支予算ならびに事業計画は異議なく承認された。
5.近藤滋第36回年会長より、年会開催状況につき報告と挨拶がなされた。
ここ3年、年会参加者数が減少傾向にある。会員の年齢構成は20代・30代が減っており、このままでは20代と50代の数が逆転するのは2020年頃ではないかと思われる。そこで若い世代を取り込みたいと考え、今回の年会では様々な新しい試みを行っている。以下はその一部である。
・サイエンスとアートの融合
・海外ポスドクの呼び寄せ(在外の日本人ポスドクに旅費を補助し、特別セッションに参加してもらう)
・ガチ議論(研究者を取り巻く問題を、政策決定できる人を前にして議論する)
・本日、開催された製薬会社・薬品ベンチャーによる特別シンポジウム「薬を創るということ」は約800名の参加者があり、好評をいただいたようである。
会員諸氏のご協力に感謝したい。
6.小安重夫第37回年会長より、2014年の年会開催企画案につき報告がなされた。
○会 期:2014年11月25日(火)~27日(木)
○会 場:パシフィコ横浜
≪年会開催コンセプト≫
「サイエンスに没頭できる年会」を目指して、学術プログラムを最重要視し、ライフサイエンスのすべてをカバーし全体を俯瞰できるような、分子生物学会の原点に立ち返るような年会としたい。学会員が持ち寄った宝である実験データを元に皆で議論ができる年会を目指したいとの説明がなされた。
・ ポスター討論を最重視する。第32回年会の際のディスカッサー制を取り入れたい。
・ 各日とも午前中はシンポジウム、午後は一般口演をメインとした公募のワークショップを開催し、夕方には午後の一般口演発表を受けるかたちでポスター討論を行う予定である。
7.塩見議長より閉会の挨拶があり、第36回総会が終了した。
上記、平成26年度通常総会の議決および確認事項を明確にするため、この議事録を作成し、議事録署名人はここに記名押印する。
平成25年12月4日
特定非営利活動法人 日本分子生物学会 平成26年度通常総会
議 長 塩 見 春 彦
議事録署名人 大 隅 典 子
議事録署名人 小 安 重 夫