特定非営利活動法人 日本分子生物学会 令和4年度(第44回)通常総会記録

日 時:令和3年12月2日(木)19:30~20:30
場 所:パシフィコ横浜 会議センター 4階 414+415(第11会場)
社員数(正会員+名誉会員+シニア会員+次世代教育会員):8,366名
出席者数:4,424名(本人出席30名、表決委任者4,394名)

※総会資料はこちら

議事内容:
 

1.冒頭に白髭克彦理事長より開会の辞が述べられた;横浜年会会場に来て、人と人とが合流して科学が進むということを改めて実感している。第44回年会(MBSJ2021)はハイブリッド開催となり、準備に際しては塩見美喜子年会長ならびに組織委員の方々のご苦労が二重になっていたものと推察するが、横浜会場では感染対策が細やかなところまで行き届いていることを感じ、また運営上のトラブルもなくスムースに進行がなされている。御礼を申し上げたい。また日本の感染状況については、ようやく落ち着く方へ向かうかと思われたところへ新たな変異株の報告もあり、3回目のワクチン接種対応が急がれるなどしているが、我々としては引き続き研究者として状況に接して対処し、活路を見出して世の人に伝えていきたいと考えている。
 続けて白髭理事長より、定款第25条に基づき、本総会議長として岡田由紀会員が指名された。さらに定款第29条に基づき、議事録署名は、塩見美喜子会員(第44回年会長兼)と白髭理事長が担当することが確認された。

2.岡田議長より、定款第26条(総会の定足数)に基づき、上記表決委任者(委任状)を含めて出席4,424名となり、本総会は成立する旨報告された。

3.経過報告(事業報告)

1)理事長報告
 白髭理事長より、事業活動の主な内容として下記2点について報告が行われた。

 ①第22期第2回(臨時)理事会(6月25日オンライン開催)において、第48回(2025年)年会長は小林武彦会員(東京大学定量生命科学研究所)、第49回(2026年)年会長は水島昇会員(東京大学大学院医学系研究科)に決定した。

 ②国際化関連(海外との連携状況)林茂生国際化担当幹事と各年会長が中心となって海外との連携を行っている。塩見美喜子第44回年会長はEMBO、深川竜郎第45回年会長はASCB(The American Society for Cell Biology)とのコラボレーション企画を進めている。また、KSMCB(韓国分子細胞生物学会)とは、相互理解を深めるため、両学会の学術集会に互いの学会のメンバーを招待している。今年はパンデミックにより2020年に続いて双方オンライン参加となったが、いずれまた直接対面で交流できる日が待たれる。

※理事長報告に関する詳細は11月29日開催の第22期第3回理事会記録を参照のこと.

2)庶務報告
 木村宏庶務幹事より以下の報告が行われた。

 ①会員現況:〔2021年11月1日現在〕正会員8,265名、シニア会員88名、次世代教育会員13名、学生会員3,737名、賛助会員22社、総計12,125名(前年11月対比、-116)

 ③生物科学学会連合:

 ・2月に「若手研究者育成のための大学院生を中心とした支援の要望」を文科省へ提出した。

 ・12月18日に生科連シンポジウム「気候変動が生物多様性に与える脅威~地球はどのくらい危機的状況か~」がオンラインで開催予定である。

 ・生科連がDORA(研究評価に関するサンフランシスコ宣言)に署名することについて、加盟学会は賛否の意見を求められており、分子生物学会としては賛同することが理事会で決定した。分子生物学会自体が署名するかについては今後改めて検討する予定である。

3)編集報告

   上村匡編集幹事より『Genes to Cells』について報告が行われた。
 今年は投稿数が著増したが、その大半はpaper millと思われる論文であり、実質的な投稿数は例年と比べ横ばいであった。Paper mill論文に関しては、『Genes to Cells』managing editorとしてチェックを行っている湯浅達朗氏が年会最終日の研究倫理ランチョンセミナーで講演するので、お時間の許す方はぜひ参加いただきたい。

4.議事

1)令和3年度(2021年度)決算承認の件
 東山哲也会計幹事より総会資料に基づき、令和3年度活動計算書の収支について詳細報告が行われた。2021年10月29日、公認会計士宮城秀敏氏の会計監査を受け(総会資料の独立監査人の監査報告書を参照)、さらに同年11月9日に学会事務所において荒木弘之監事、石野史敏監事による監査会を実施したことが報告された。
 続いて荒木監事より、帳簿ならびに会計証憑類は正確に整えられており、石野監事と共に各金融機関の通帳と残高証明書を確認し、同決算を認めたことが報告された。
 審議の結果、本決算は異議なく承認された。

2)令和4年度(2022年度)活動予算書承認の件
 東山会計幹事より総会資料に基づき、令和4年度活動予算書について説明が行われた。審議の結果、同活動予算書は異議なく承認された。

5.第44回(2021年)年会長挨拶
 塩見美喜子第44回年会長より年会開催状況について途中報告が行われた。

・参加者数は会期2日目の時点で約5,500名。登壇者の70%が現地参加している。一般演題はlate breaking abstractsを含め2,454演題、講演セッション数はシンポジウム27、ワークショップ90となった。フォーラムは14企画、高校生発表はポスター25演題が集まった。海外との連携として3つのEMBO-MBSJ企画を行っている。「富澤基金メモリアル企画」は、10年間の若手研究助成対象者約50名の協力で実施された。

・「横浜ヒストリア企画」では歴代横浜年会長9名のうち8名と対面で、1名とオンラインでインタビューを実施した。同企画に際しては岩崎由香組織委員と学会事務局並木氏の尽力に感謝申し上げたい。最終日の市民公開講座「生命科学研究を職業にする」では胡桃坂仁志プログラム委員長と岩崎組織委員に講演を依頼しているほか、応援ソング「毎日がPCR」の生演奏も予定している。

・感染対策アドバイザーの嘉糠洋隆会員(東京慈恵医大)からは心強いアドバイスの数々で助けていただいた。横浜会場ではパシフィコ横浜のガイドラインに従った感染対策を講じると共に、安心ステッカーの発行や無料抗原検査サービスなどを実施した。

・今年に入ってから新規感染者数がアップダウンを繰り返し、神経をすり減らす日々が続いていたが、会期前日の展示会場での企業の方々によるブース設置の姿や、会期中、ポスターセッションで大勢の若者が一所懸命に発表している姿を目にして、分生のあるべき姿が帰ってきたと熱く感じた。今日こうして対面で皆さんとお会いできることを大変嬉しく思う。

6.第45回(2022年)年会長挨拶
 深川竜郎第45回年会長より2022年の年会開催企画案と準備状況について報告が行われた。

・会期:2022年11月30日(水)~12月2日(金)の3日間

・会場:幕張メッセ

 まずはこの難しい状況の中、現地開催の英断をされた塩見年会長に深く敬意を表したい。45回年会も、基本的には現地開催の予定で準備を進め、必要に応じて柔軟な対応を取りたいと考えている。幕張では1993年の第16回年会(大石道夫年会長)以来29年ぶりの開催となる。会場付近には宿泊施設・飲食店も多数あり、アフターセッションの時間も充実させることができる。
 本年会では以下の3つの柱を念頭に置いている。

・「議論できる学会」:広大な会場を利用して、議論を盛り上げられるよう広いポスター会場内に特設会場を区分けして作るレイアウトとし、講演プログラムが行われる。また、ポスター発表者にはこの小さめの特設会場でショートトークも行ってもらいたいと考えている。

・「生物物理との融合/異分野融合」:2018年の学会創立40周年記念対談で石浜明先生の回に同席する機会があった際、新しい方法論、新しい技術革新を考える手段として、生物物理学会との連携という一例が示された。そのような経緯もあり、本年会は日本生物物理学会と協力・連携して企画準備に当たっている。生物物理学会の会員は本年会に分子生物学会会員と同様の資格で参加できることとしている。組織委員会・プログラム委員会には生物物理学会の先生方も多数参画しており、オーガナイズしていただく指定シンポジウムはこれまでの分子生物学会にはなかった内容も含まれていることが報告された。

・「国際化/諸外国の学会との連携」:特にアジアとの連携を重視。世界の第一線で活躍する3名の研究者を招いてのプレナリーレクチャーを予定している。また、ASCB(アメリカ細胞生物学会)との連携も進んでおり、scientificとsocialの企画をそれぞれ検討している。

・本年会では一人一演題の制限を撤廃する。また、ワークショップの公募では指定演者の少なくとも30%以上は女性とすることを応募条件としている。講演言語はオーガナイザーに一任するが、PowerPointの英語キャプションを全演題に導入することを検討中である。

・ハイブリッド対応の可能性を考慮すると費用が増大するため、参加費の値上げを検討しているが、学生は据え置きにしたい。また、分子生物学会の年会では従来、一般演題の発表者を会員のみに限定していたが、本年会では非会員も発表可とし、非会員の参加費を発表の有無によって2段階の設定とすることも検討している。

7.岡田議長より閉会の挨拶があり、第44回総会が終了した。
 

上記、令和4年度通常総会の議決および確認事項を明確にするため、この議事録を作成し、議事録署名人はここに記名する。

令和3年12月2日

特定非営利活動法人 日本分子生物学会
令和4年度通常総会

議    長  岡 田 由 紀

議事録署名人  白 髭 克 彦

議事録署名人  塩 見 美喜子