「科学研究費助成事業の全体額増加に関する要望」についてのご報告とお願い

2024年7月1日

会員の皆様へ

日本分子生物学会
理事長 後藤由季子

第23期日本分子生物学会執行部は「研究のワクワク感」を大事にし年会を充実させること、生命科学コミュニティにおける「社会的責任」を果たすこと、を目標に掲げて活動を行ってまいりました。後者につきまして、ご報告とお願いがあります。

◆ご報告:
大学における基礎的な研究(と教育)は、運営費交付金等の基盤経費と科研費の両輪(いわゆるデュアルサポート)によって支えられていますが、基盤経費が削減されたことで科研費に皺寄せ(申請数の増加による配分額の減少)がきた上に、円安・物価高・ジャーナル出版費用高騰によってこの10年で科研費は実質半額以下になり、全国の研究現場で悲鳴が起こっているのはご承知の通りです。このデュアルサポートは決して研究者のためだけではなく「イノベーション/産業を作る研究の芽の創成」「科学技術立国たる日本を支える若手人材輩出」という意味で、日本の底力の根幹であると言えます。しかし、科学行政のトップである内閣府総合イノベーション戦略推進会議はこの危機的状況を理解しているとは言えず、例えばバイオ分野の戦略を「総花的、シーズ発思考への偏重」と称して、さらに集中と選択の方向を強化しようとしています。

この緊急事態に対し、多くの論点を同時に要望するよりも一つずつ要望し早期実現を図るため、まず「科研費増額」に集中して要望を行うこととしました。

昨年12月の本学会理事会で「科研費増額」署名活動ならびに要望書提出の承認を受け、日本分子生物学会から生物科学学会連合(以下、生科連)に本件を提案し方針の了承を得ました。そこで次に、生科連から広い分野の学会連合に声掛けを行いましたところ、驚くべき速さで賛同が集まりました。このような緊急事態に対して理系文系を問わず、学術に携わる方々が共通に危機感を抱いていたことを改めて感じさせられました。広い分野の学会連合/学術関連の方々からいただいたご意見をもとに推敲した要望書と署名サイト序文、また背景資料につきましては、生科連HPの特設サイト(下記)でご覧いただけます。

◆お願い:
このような背景で科研費増額署名活動を本日から開始しました。
生科連HP上に特設サイトを設け、そこへchange.orgへのリンクを貼りました。

日本の未来のために。科研費の増額を求めましょう
「科学研究費助成事業の全体額増加に関する要望書」特設サイト(生科連HP)
https://seikaren.org/kakenhi

もし上記の趣旨にご賛同いただけるようでしたら、どうぞご署名をお願いいたします。
一人でも多くのご賛同・ご署名をいただき、より良い研究環境、そしてより良い日本の未来に貢献したいと考えております。何卒よろしくお願いいたします。