「研究者のライフイベントを考える―目指すべき制度改正と環境改善―」開催報告

●日 時:2015年12月1日(火)12:40~13:45

●会 場:神戸国際会議場3階 国際会議室(第15会場)

●参加者:約370名

●講 演:清水 美和(日本学術振興会人材育成事業部研究者養成課 課長代理)

※BMB2015 両学会共同企画ランチョンセミナー

 

 今回のランチョンセミナーでは、男女共同参画に関わるトピックを検討するため、男性も直面するライフイベントにおける困っている点、あるいは困った点について事前にアンケートを実施しました(回答者数計314件)。

 その中で最も多く指摘された点は、日本学術振興会特別研究員の福利厚生に関するものでした。

 そこで本企画では、日本学術振興会人材育成事業部研究者養成課の清水美和氏をお招きし、日本の男女共同参画の歴史についての概略と、特別研究員の制度についてご講演いただきました。その後、清水氏にもパネリストとしてご参加いただき、本ランチョンセミナーを企画した生化学会男女共同参画推進委員会、分子生物学会キャリアパス委員会の委員とともに、事前アンケートで多く指摘された点について、ケータイゴングを用いて会場からのコメントを収集しながら双方向パネルディスカッションを行いました。会場参加者は約350名でした。

 企画側からディスカッションポイントとして挙げた点は、
1.学術振興会特別研究員の福利厚生
2.単身赴任
3.ステップアップとライフイベント(特に子育て)の時期の重なり
4.ポジティブアクションの効果
5.研究室行事の開催時間
の5つでした。

 ディスカッションの進行で、提示した点からやや逸れてしまうこともありましたが、提示した点の解決には、情報共有の強化、研究者からの建設的な提案、男女双方の意識改革が必要である理解が得られたと感じています。また、最初の清水氏の講演において、男女共同参画がどのように進んできたかをあらためて振り返り、また新たに学んでいただけたと思います。詳細については、ぜひ全文記録をお読みください。

 男女共同参画は、まだまだ解決されるべき点があります。私は、この活動に8年ほど関与してきましたが、現在、この活動は、男女どちらかだけの問題でなく双方が協働して行われるべきものであること、キャリアパスと密接な関係があることが認識されつつあると感じています。

 アンケートのご回答は、今後のキャリアパス委員会の活動に活用させていただきます。また、今後とも、本委員会の活動にご協力いただくと共に、新たなご提案があれば積極的にお寄せいただきたく、お願い申し上げます。

(文責:座長・井関 祥子)