特定非営利活動法人 日本分子生物学会 令和5年度(第45回)通常総会記録

日 時:令和4年12月1日(木)19:00~20:00
場 所:幕張メッセ 国際展示場(第19会場)
社員数(正会員+名誉会員+シニア会員+次世代教育会員):8,087名
出席者数:4,196名(本人出席45名、表決委任者4,151名)

議事内容:
 

1.冒頭に白髭克彦理事長より開会の辞が述べられた;29年ぶりに幕張で開催中の本年会は深川竜郎年会長のすばらしいオーガナイズによってまさに「激論コロッセオ」となっており、若手のみならずシニアの参加者にも良い刺激となっている。
 続けて白髭理事長より、定款第25条に基づき、本総会議長として木村宏会員が指名された。さらに定款第29条に基づき、議事録署名は、深川竜郎会員(第45回年会長兼)と白髭理事長が担当することが確認された。

2.木村議長より、定款第26条(総会の定足数)に基づき、上記表決委任者(委任状)を含めて出席4,196名となり、本総会は成立する旨報告された。

3.経過報告(事業報告)

1)理事長報告
 白髭理事長より、事業活動全般と、下記2点について報告が行われた。

①11月29日開催の第22期・第23期合同理事会において、DORA(研究評価に関するサンフランシスコ宣言)に学会として署名することが決定した。

②11月29日開催の第22期・第23期合同理事会において、本学会の運営を長年支えた福田博事務局長が2023年3月末に定年となり退任予定であることを受け、2023年4月より並木孝憲事務局職員を後任の事務局長とすることが決定した。

 理事長報告の最後に白髭理事長より退任の挨拶があり、第22期の理事会メンバーならびに事務局へ謝意が述べられた。研究活動は税収によって支えられており、学会が社会制度を変えていくための施策提言活動を行う時期に来ているかもしれないとの示唆とともに、後藤由季子次期理事長への激励がなされた。

※理事長報告に関する詳細は11月29日開催の第22期・第23期合同理事会記録を参照のこと.

2)庶務報告
 岡田由紀庶務幹事より以下の報告が行われた。

①会員現況:〔2022年11月1日現在〕正会員7,972名、シニア会員100名、次世代教育会員15名、学生会員3,683名、賛助会員22社、総計11,792名(前年11月対比、-333)

②第23期理事選挙:選挙管理委員会のもとで2022年6~7月の間で会員による投票が行われ、第23期理事が選出された。新理事30名のうち10名が女性であり、女性理事の比率が初めて30%を超えた。11月には新理事会準備会議が開かれ、後藤由季子氏が第23期理事長に選出された。

③生物科学学会連合:次期(2023年1月より2年間)の代表について、11月28日に開催された生科連定例会議において東原和成氏(東大・農)が選出された。

3)編集報告
 上村匡編集幹事より『Genes to Cells』について報告が行われた。
 西田栄介編集長が学会HPでも発信している通り、本誌はすべての生命科学研究者に寄り添う編集方針としており、日本語での投稿相談も可能なので、遠慮なく編集室へご連絡いただきたい。なお本年会ではポスター会場内の特設講演会場の壁面に『Genes to Cells』カバーアート掛け軸3年分を展示している。ぜひご覧いただきたい。

4.議事

1)令和4年度(2022年度)決算承認の件
 東山哲也会計幹事より総会資料に基づき、令和4年度活動計算書の収支について詳細報告が行われた。2022年10月28日、公認会計士宮城秀敏氏の会計監査を受け(総会資料の独立監査人の監査報告書を参照)、さらに同年11月9日に学会事務所において荒木弘之監事、石野史敏監事による監査会を実施したことが報告された。
 続いて石野監事より、帳簿ならびに会計証憑類は正確に整えられており、荒木監事と共に各金融機関の通帳と残高証明書を確認し、同決算を認めたことが報告された。
 審議の結果、本決算は異議なく承認された。

2)令和5年度(2023年度)活動予算書承認の件
 東山会計幹事より総会資料に基づき、令和5年度活動予算書について説明が行われた。審議の結果、同活動予算書は異議なく承認された。

3)第23期監事選任の件
 定款第14条に基づき、白髭理事長より第23期監事として佐々木裕之会員、塩見美喜子会員が推薦され、承認(選任確認)された。

5.第45回(2022年)年会長挨拶
 深川竜郎第45回年会長より年会開催状況について途中報告が行われた。

・参加者数は6,000人を超える見通しとなった。企業協賛についても復調の兆しが見えつつあり、2021年の横浜年会からさらに増え、高額のスポンサーにも付いていただくことができた。

・本年会はオンサイトを基本とし、講演セッションのみオンラインでも視聴可能としている。またプレナリーレクチャーはオンデマンド配信も行う。

・若い人が求めているものを試行錯誤しながら色々取り入れた。オンラインプラットフォームはAGRI SMILE社の「ONLINE CONF」を採用し、Graphical abstractを活用した検索の仕掛けなど、様々なリクエストに対応してもらった。「Meet my Hero/Heroine」企画では、学生などの若い参加者が著名な研究者と直接話せる機会を設定した。各会場で盛況となっているサイエンスピッチ(ポスター発表者による3分間のショートトーク)では審査を行っており、優秀発表賞を授与することになっている。フォトスポットや公式テーマソング「逆襲の助教」(Negative Selection)はSNSでも話題となり、皆さんに年会を様々な形で楽しんでもらえているようである。

・国際化という観点からはASCBやEMBOと連携して昼の特別企画などを行っている。HFSPOの協力も受け、非常に充実した議論ができている。またEMBOにはサイエンスピッチやポスタークリニックのEMBO Prize各賞も設定いただいている。

・感染対策アドバイザーの嘉糠洋隆会員(東京慈恵医大)には2021年会に続き助けていただいた。基本的に国や自治体の指針に沿った対応とし、収容率は100%として参加者には黙食をお願いした。

・学生の頃、大石道夫年会長による29年前の幕張年会に参加した。その翌年が石浜明先生の神戸年会という、まさに分子生物学会が大きくなろうとしている時期だった。また2009年会の運営に参画した時、小原雄治年会長が「ポスター会場・講演会場・展示会場が一体となった形でやりたい」と語っておられた。当時はまだ技術的に難しかったが、今回この幕張で実現できた。久々の対面メインの年会で「激論できる学会」の場を提供することができ、好評をいただいている。

6.第46回(2023年)年会長挨拶
 林茂生第46回年会長より2023年の年会開催企画案と準備状況について報告が行われた。

・会期:オンライン先行開催:2023年11月27日(月)~12月1日(金)
オンサイト開催:2023年12月6日(水)~8日(金)

・会場:神戸ポートアイランド(神戸国際会議場、神戸国際展示場、神戸ポートピアホテル)

 コロナ禍で完全オンライン開催となった2020年会が当初は神戸で開催予定だったことなどもあり、神戸での開催を決定した。MBSJ2022出展企業に話を聞いたところ、展示会場内に講演会場があることに対して強い歓迎の意を示された。神戸年会でも出展企業の希望にできるだけ副える方法を検討しつつ、よいサイエンスが穏やかに議論できる場を提供したい。

7.第47回(2024年)年会長挨拶
 木村宏第47回年会長より2024年の年会開催企画案と準備状況について報告が行われた。
・会期:2024年11月27日(水)~29日(金)
・会場:福岡国際会議場・マリンメッセ福岡
 これまで福岡での年会はキャパシティの都合上会期4日で行われていたが、新しい展示場(マリンメッセB館)が増えて3日での開催が可能となった。2023年の早い時期に会場視察を行う予定である。ハイブリッド形式で開催し、現地・オンラインそれぞれの長所を活かして、できるだけ参加を希望する人全員がどこからでも参加できる形を目指したい。例えばポスター発表は会期前日などにオンライン発表枠を別途設け、現地参加ができない人も発表の機会を得られるようにしたいと考えている。

8.次期理事長挨拶
 後藤由季子次期理事長より挨拶があった。MBSJ2022に参加して、同行した学生たちも自分自身も大いに刺激を受けたことで希望がわき、対面ディスカッションの盛り上がりの大切さを強く感じた。これから理事長として、草の根の声を聞いて必要なものを把握し責任を持って行政につなげることと、年会を盛り上げること、その両方を果たしたいと考えている。

9.その他
 総会出席者より「研究公正に関するヒヤリ・ハット集」(AMED刊行)の紹介があった。研究者自身の判断や周囲からの指摘等により研究不正やガイドライン違反等を踏みとどまった好事例を広く発信することを目的としており、追補版作成にあたって事例の提供を呼びかけているとのことである。

10.木村議長より閉会の挨拶があり、第45回総会が終了した。
 

上記、令和5年度通常総会の議決および確認事項を明確にするため、この議事録を作成し、議事録署名人はここに記名する。

令和4年12月1日

特定非営利活動法人 日本分子生物学会
令和5年度通常総会

議    長  木 村   宏

議事録署名人  白 髭 克 彦

議事録署名人  深 川 竜 郎