日 時:令和5年12月7日(木)18:30~19:30
場 所:神戸国際展示場2号館1階 特設会場
社員数(正会員+名誉会員+シニア会員+次世代教育会員):7,994名
出席者数:4,152名(本人出席23名、表決委任者4,129名)
議事内容:
1.冒頭に後藤由季子理事長より開会の辞が述べられた;今年は会員に若い方が増え、また年会参加者数も昨年を上回っているとのことで、活気に満ちておりサイエンスピッチ会場も盛り上がっている。関係の方々のご尽力に感謝申し上げたい。最終日には高校生発表もあるので、お時間の許す方はぜひ参加いただきたい。
続けて後藤理事長より、定款第25条に基づき、本総会議長として稲田利文会員が指名された。さらに定款第29条に基づき、議事録署名は、林茂生会員(第46回年会長兼)と後藤理事長が担当することが確認された。
2.稲田議長より、定款第26条(総会の定足数)に基づき、上記表決委任者(委任状)を含めて出席4,152名となり、本総会は成立する旨報告された。
3.経過報告(事業報告)
1)理事長報告
後藤理事長より、事業活動全般と、下記7点について報告が行われた。
・情報発信:本学会の発信力を高めるため、以前から運用しているFacebookに加え、SNSガイドライン(ポリシー)と運用マニュアルを整備して2023年4月よりX(旧Twitter)の運用を開始した。
・国際対応:前期からの流れを継続する形で、林年会長に2023年会での対応をお願いしている。
・ダイバーシティ:この度、男女共同参画学協会連絡会から退会することとなった。連絡会業務を担当するキャリアパス委員のエフォートに比して生命科学系特有の課題に特化した活動が難しい点などから今回の決定に至った。退会によって本学会がダイバーシティ推進に対し後ろ向きになるということは全くなく、これからも学会独自にできる取り組みを続けていく所存である。
・高校教育:篠原彰担当のもと、高校への出前授業や年会における高校生発表などの事業を引き続き活発に行っている。
・資産運用:現在理事会で審議を継続している。
・科研費問題:基盤的研究、引いてはサイエンス全体が力強さを取り戻すため、執行部より署名活動なども視野に入れた提案を行い、理事会としてもその方向で進めていくことが承認された。今後は分子生物学会から生物科学学会連合へ提案し、そちらで議論されることとなる。
・12月5日開催の第23期第2回理事会において、第50回(2027年)年会長を杉本亜砂子会員(東北大学大学院生命科学研究科)にお願いすることが決定した。
※理事長報告に関する詳細は12月5日開催の第23期第2回理事会記録を参照のこと.
2)庶務報告
岡田由紀庶務幹事より以下の報告が行われた。
会員現況:〔2023年11月1日現在〕正会員7,876名、シニア会員103名、次世代教育会員15名、学生会員4,035名、賛助会員23社、総計12,052名(前年11月対比、+260)
学生会員の大幅な増加が喜ばしい一方で、正会員の減少が課題となっている。
3)編集報告
上村匡編集幹事より『Genes to Cells』(GTC)について報告が行われた。
・GTCは投稿料・掲載料が無料かつ、6ヶ月経過すると論文は無償公開となる。即時オープンアクセス希望の場合には掲載料が発生するが、所属機関がWiley社と転換契約を結んでいる方には割引が適用される。その他、会員割引もあるのでぜひ利用していただきたい。
・新たな試みとして、GTCの著者からコメントを集め、学会X(旧Twitter)で配信する広報活動を行っている。
・特に、総説を執筆いただいた方々にこの場を借りて御礼申し上げる。
4.議事
1)令和5年度(2023年度)決算承認の件
東山哲也会計幹事より総会資料に基づき、令和5年度活動計算書の収支について詳細報告が行われた。2023年10月26日、公認会計士宮城秀敏氏の会計監査を受け(総会資料の独立監査人の監査報告書を参照)、さらに同年11月8日に学会事務所において佐々木裕之監事、塩見美喜子監事による監査会を実施したことが報告された。
続いて佐々木監事より、帳簿ならびに会計証憑類は正確に整えられており、塩見監事と共に各金融機関の通帳と残高証明書を確認し、同決算を認めたことが報告された。
審議の結果、本決算は異議なく承認された。関連して出席の会員より以下の意見があった。
・篠原彰会員より①
今後物価高騰やGTCの収入が減少した場合のことなども考慮し、5年後、10年後の状況を見据えて、コスト削減を検討いただきたい。特に、年会国際化の取り組みが継続して行われるようになったことで国際会議支援事業は既に役割を果たしているのではないか。会員のためになっているかという視点で評価し直す時期にきているものと思われる。
・篠原彰会員より②
第20期将来計画委員会提言「年会の開催方針について」は内容見直しの検討を行うべきではないか。例えば「年会開催ルール細目」には「正会員の事前参加登録費は1万円以内とすることが望ましい」とあるが、2022幕張年会の正会員事前参加登録費は15,000円であった。
・中山敬一理事より
理事会にはもっと責任感と危機感を持っていただきたい。篠原会員のご意見①に賛同すると同時に、収益を増やすことも大切である。現在理事会では資産運用の件について継続審議中となっているが、必要に応じて理事会での議論の機会を増やすなどしてもよいのではないか。
後藤理事長及び東山会計幹事より篠原会員・中山理事からの貴重な意見に対し謝意が述べられた。篠原会員からの意見①②については今後執行部で検討することとなった。また後藤理事長より、中山理事からの意見について深く受け止めたいとの発言があった。
2)令和6年度(2024年度)活動予算書承認の件
東山会計幹事より総会資料に基づき、令和6年度活動予算書について説明が行われた。審議の結果、同活動予算書は異議なく承認された。
5.第46回(2023年)年会長挨拶
林茂生第46回年会長より年会開催状況について途中報告が行われた。
・一般演題の数は2,877題と、ほぼコロナ前の状態に戻ってきた。協賛収入も順調に伸びており、年会の場で直接研究者にアピールしたいという企業の声に応えられ嬉しく思う。
・年会参加登録費の金額は収入がまだ見えてこない段階で決定する必要があるが、過去の年会アンケート結果から金額に比しての満足度などを丁寧に見ていき、検討して決めた。また今回は指定シンポジウム10件と公募シンポジウム115件のうち8件を先行開催期間にオンラインで行った。現地開催枠の公募企画は以前より応募件数が増え、採択数を絞るか会場数を増やすかの選択を迫られた。年会は会員のためのものであり、発表交流の場を増やすことが年会の役割であることから、24枠を増やすこととした。会場費の追加費用が1,000万円かかったが、講演会場は皆盛況となっている。年会を預かる立場としては、赤字を出さない範囲で会員のために最大限の利益を上げることを考えて決めているとご理解いただけるとありがたい。次回以降の年会でもその年の状況に合わせた柔軟な年会運営ができることが望ましいと考える。
6.第47回(2024年)年会長挨拶
木村宏第47回年会長より2024年の年会開催企画案と準備状況について報告が行われた。
・会期:2024年11月27日(水)~29日(金)
・会場:福岡国際会議場・マリンメッセ福岡
講演セッションは現地開催+ライブ配信のハイブリッド形式とする。オンデマンド配信は行わない。ポスター発表は現地のみでの開催とし、会期前日の11月26日にオンラインポスター発表日を別途設定する。様々な事情で現地に来られない人も年会に参加できるようにしたい。
ハイブリッド形式は費用がかかることもあり、会場費を抑えられて会員からの人気も高い福岡を開催地とした。また福岡には新しい展示場(マリンメッセB館)が増え、会期3日での開催が可能となった。多くの人に参加してもらい、熱いディスカッションができる年会を目指したい。
講演セッションについては公募で150分枠のシンポジウムと90分枠のミニシンポジウムの企画を募集している。特に後者では分子生物学会の会員が所属している専門分野などの他学会・研究会等との共催セッションの形を取り、活動内容紹介の場にもなることを期待している。一般演題については優秀ポスター賞の審査を行う予定である。また高校生発表や市民公開講座も予定しており、市民公開講座は大隅良典氏と小林武彦氏に登壇いただけるよう調整を進めている。
7.第48回(2025年)年会長挨拶
小林武彦第48回年会長より2025年の年会開催企画案と準備状況について報告が行われた。
・会期:2025年12月3日(水)~5日(金)
・会場:パシフィコ横浜
第44回(2021年)年会開催時点で、以後の横浜会場費値上げが決まっており、この先横浜年会の開催は難しい見通しであったが、第48回・第49回(2025-6年)の2年連続予約によって会場費が大幅値引きされることとなり開催可能となった。完全現地開催を予定しているが、2024年会の状況をみながら臨機応変に考えたい。日本の研究力低下ということが近年言われている。大きな視野で問題意識を共有できる機会にしたい。現地開催の強みを活かした企画として、人と人とのネットワークを構築するため、例えば関連する研究分野の人同士でテーブルを囲むといったマッチング企画や、リタイアしたシニアサイエンティストと語り合える機会の提供などを検討している。
8.その他
・今後の年会開催形式(オンサイト/ハイブリッド等)について出席者による意見交換がなされた。
9.稲田議長より閉会の挨拶があり、第46回総会が終了した。
上記、令和6年度通常総会の議決および確認事項を明確にするため、この議事録を作成し、議事録署名人はここに記名する。
令和5年12月7日
特定非営利活動法人 日本分子生物学会
令和6年度通常総会
議 長 稲 田 利 文
議事録署名人 後 藤 由 季 子
議事録署名人 林 茂 生