会員の皆様へ
九州での年会は寒い中での開催でしたが、会場は活気に溢れ、あらためて<分子生物学会恐るべし!>と感じた次第です。聞きたいセッションが重なっているとか、似たようなメンバーが出すぎとか、いろいろと不満の声も聴きますが、40年の月日をかけてここまで進化したことに、第一回めの年会に出席した者には驚きは隠せませんでした。活気ある年会を開催してくださった年会関係者の皆様に学会を代表して御礼申し上げます。しかし、理事長が悦に入っていたのでは話にならず、さらなる進化に向けて、年会中もいろいろと活動を行いました。
まずは、年会の国際化について、国際化担当幹事を設けることを理事会・総会でお認め頂き、初代幹事として理研の林茂生会員に就任を要請し快諾を得ました。今までに、42回年会は佐々木裕之・副理事長、43回年会はGenes to Cells編集幹事の上村匡・理事、44回年会は塩見美喜子・副理事長、45回年会は広報幹事の深川竜郎会員と、たまたま執行部メンバーが年会長として揃ったこと。さらに、第46回年会を国際化担当幹事の林茂生会員が引き受けてくださったことで、5か年計画で年会の国際化を進めていくことができる態勢が整いました。前回の理事長メッセージ「明日のために、その1」に書かせてもらったように、今回の福岡年会から英語での発表をT字型に組んでもらい(会期を通して英語のセッションがあるとともに、2日目は丸一日英語という縦に英語のセッションがある様式を指します)、国際化の第一歩を踏み出しました。これらの試みについて会員からご意見を頂き、それを次回の年会に反映させる形で年会の国際化を進化させていきたいと思います。
例えば、私個人の意見を書かせてもらうと、2日目は丸一日英語という縦に英語のセッションが組まれましたが、ポスター発表のディスカッサーに外国人を指名するような試みを今後は入れてもらえればと思いました。このような今後の進化に向けての意見を会員から頂けると幸いです。
また、海外の学会とのジョイントシンポについても年会中に模索しました。韓国の日本の分子生物学会に相当するKSMCB(the Korean Society for Molecular and Cellular Biology)のYoung-Joon Surh会長が福岡の年会を視察に訪れ、将来的なジョイントの可能性について、まずはお互いの会を知ることから始めることを議論しました。EMBOとのジョイントについては、女性研究者のキャリア・アップに関するワークショップを次回の年会から始めることを議論しました。新たな試みを通してstep by stepで学会の国際化が推進されれば、と思っています。
最後になりましたが、2011年から続いていました「日本分子生物学会 若手研究助成 富澤純一・桂子 基金」は、2020年が最終回の募集となります。毎年300万円を5名程度の方に贈呈してきました(2020年の助成人数は6名)。多くの若手研究者が、富澤基金で大きな翼を得たと思います。今後とも、分子生物学の振興に向けた、各種基金のご寄付をお考えの方がおられましたら、是非とも事務局までご連絡ください。
2020年1月
特定非営利活動法人 日本分子生物学会 第21期理事長
(基礎生物学研究所)
阿形 清和