日本分子生物学会 第14期・第15期 第1回合同評議員会報告

日 時:2007年4月3日(火)15:00~18:15

場 所:八重洲富士屋ホテル「櫻(西)の間」

出席者:第15期

阿形清和○、上村 匡(14期編集幹事)、大隅良典、
岡田清孝、加藤茂明、後藤由季子○、小原雄治○、
田中啓二○、田畑哲之、長田重一、中山敬一○、西田栄介、
花岡文雄○(14期会長)、本庶 佑○、町田泰則、
宮園浩平○、山本 雅○、山本正幸

(○印は第14期より)

第14

田賀哲也、鍋島陽一、柳田充弘、永田恭介(庶務幹事)、
菅澤 薫(会計幹事)、桂 勲(広報幹事)、山梨裕司(集会
幹事)、塩見春彦(2007春季シンポジウム世話人)
                       以上26名

欠席者:第15期

石川冬木○、大隅典子○、岡野栄之○、勝木元也○、
郷 通子○、榊 佳之、 篠崎一雄、竹市雅俊○、
月田早智子、中西重忠、水野 猛○、山中伸弥

第14期

秋山 徹、押村光雄、影山龍一郎、島本 功、谷口維紹、
田矢洋一、辻本賀英、山村研一、山本雅之、
本間道夫(集会幹事)
                       以上22名

事務局:福田 博(記録)、並木孝憲、陽 智絵

関係議題参加者:峰崎 愛(BMB2007事務局より)

 

本評議員会成立について:

   花岡会長より、新旧評議員21名、幹事4名、報告議題関係者1名が出席し、委任状(新旧評議員)21名を受理しており、本評議員会は細則第4章第12条により成立する旨報告された。

議 事:

   議事に先立ち、花岡会長より渡邊 格名誉会員の訃報(3月23日ご逝去)につき報告がなされ、黙祷を奉げた。

1.報告事項

 1)花岡会長より第14期の活動全般が報告された。概要は以下の通りである。

・学会の法人化

2005年12月6日開催の評議員会において将来計画検討委員会を発足し、学会法人化の件につき検討を重ねた。その後、臨時評議員会(2006年6月開催)の審議を経て、昨年9月には独自の学会事務局(事務所)を開設した。2006年12月5日、特定非営利活動法人設立総会を開き、第29回総会(2006フォーラム:名古屋)において、法人設立、会則改正(法人定款への移行)、会費改定、会計年度変更につき、会員の承認を受けた。

・Genes to Cells誌は2005年に創刊10年を迎えたが、同年、富澤純一氏より編集長交代の要望があり、10月開催の臨時評議員会において、2006年からの新編集長として柳田充弘氏を選出した。2006年1月からは京都大学内に編集室を設置しており、現在に至っている。

・2005年は、福岡において第28回年会(佐方年会長)が開催された。2006年は、「第20回国際生化学・分子生物学会議」を第29回年会(中西年会長)として位置づけ、盛会裏に終了した。同年は春季シンポジウムを行わない代わりに、12月に「日本分子生物学会2006フォーラム」(町田代表)を開催した。

・男女共同参画活動について

13期ではワーキンググループであったが、今期より、男女共同参画委員会(2005年5月27日発足)となり、以下2種類の提言を行った。

(1)「ライフサイエンスの分野における男女共同参画の推進に関する提言/大学・研究機関等に対しての要望」(2005年4月)(同11月改訂)

(2)「科学者・技術者の人材のさらなる活用を図る男女共同参画制度の整備について-理工学系の現状に基づく提言-」(2005年8月 ※日本学術会議、日本生物物理学会との共同作業による)

    また、2005年10月から1年間、男女共同参画学協会連絡会の幹事学会を務め、学会として積極的なサポートを行った。

  ・研究倫理委員会の設置

2006年12月5日開催の評議員会において、常置委員会として標記委員会を発足し、その活動を開始した。

 2)法人申請・状況報告

    花岡会長より法人申請状況の報告が行われた。本年2月26日、申請必要書類一式が東京都に受理された。現在、東京都において指定書類は公告・縦覧扱いとなっており、6月末には法人認証される予定である。認証後に登記を行い、その時点で、特定非営利法人に完全に移行することとなる。

3)菅澤会計幹事より2006年度会計収支報告(見込み)の報告がなされた。2006フォーラムでは演題発表資格を会員に限定しなかったために、演題申込み締切時期にあたる8月期の新入会登録が例年に比べ少なく、その結果、会費収入(特に学生会員)が予算を大きく下回った。予算外の収入としては、20th IUBMBからの繰入金に加え、2006フォーラムからも繰入金を得ることが出来た。また本年度は、Genes to Cells オンライン版の会員アクセス不具合問題があり、柳田編集長および上村編集幹事の交渉・尽力により、2006年分会員アクセス費用335万円が出版社より返金された。事務局開設費用においても、節約努力により予備費内で収まっている。その結果、2006年度の最終的な収支決算は赤字決算にはならない旨説明がなされた。

   なお、法人化に対応するため、すでに法人会計処理へ切り替えており、昨年11月以降は、学会事務所において月に1度、公認会計士 宮城秀敏氏の経理指導を受けているとの報告がなされた。

4)塩見世話人より、第7回(2007年)春季シンポジウムの準備状況、プログラム等の報告が行われた。招待講演9題、一般講演15題、ポスター発表50題程度を予定している。評議員各位への積極的な参加依頼がなされた。

5)山本(雅)第30回年会長より、BMB2007(第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会 合同大会)の開催企画および準備状況つき、以下の通り報告がなされた。

・プログラム企画として、特別講演(4名)、シンポジウム(約45テーマ)、マスターズレクチャー(16講演)を予定している。大会最終日に一般市民向けの公開講座を開催予定である。

・例年の年会よりも演題数が多くなることが予想されるため、プログラム編成と要旨集印刷に掛かる時間を考慮し、演題締切が例年の年会より1カ月ほど早まる予定である。

  合同大会になることへの経理処理(両学会会計への繰入れ処理)につき、質問が提出され、事務局より会計案分の説明が行われた。

 6)長田第31回年会長より、BMB2008(第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会 合同大会)の開催企画案の報告がなされた。

会期:2008年12月9日(火)~13日(土)の5日間

会場:神戸ポートアイランド

組織委員:分子生物学会側 年会長 長田重一

      日本生化学会側 会頭  大隅良典

    学会出張の観点からみても会期5日間は長すぎるのではないかとの意見があり、プログラムを凝縮して4日間とする可能性についても検討中であることが報告された。引き続き、年会を開催するにあたって、合同開催にすることのメリット・デメリットにつき、活発な意見交換がなされた。

 7)小原第32回年会長より、第32回(2009)年会の開催準備状況の報告が行われた。

会期:2009年12月9日(水)~12日(土)の4日間

会場:パシフィコ横浜

今後、遺伝研を中心に、会場の特性を活用し、分子生物学会の精神を最大限発揮できるような企画を検討中である。また本年1月、事務局を通して、学術集会開催時における災害(地震等)補償制度(イベント保険)を調査した旨報告があった。今後のためもあり、引き続き事務局が情報収集に努めるよう依頼がなされた。

8)上村編集幹事よりGenes to Cellsの刊行状況等について以下の報告が行われた。

・3月27日、京大にて、Blackwell Publishing社(Mark Robertson ブラックウエル アジアPresident、Katie Julian、舘野佐保 ワイリ-ジャパン)と会合を持ち、出版社側の出版体制の確認を行った。本年5月より、舘野氏がWilly-blackwell社 東京オフィスにおけるGenes to Cells担当となる予定であり、2008年初頭には、Blackwell USAから Blackwell Asia へ業務が移管されるとのことであり、出版体制としては改善の可能性が出てきた。

・昨年のオンライン・アクセス不具合問題により、2006年分会員アクセス費用335万円は返金されたが、さらに2007年分についても請求されない確約を得ている。

・国際誌編集協力金の精算については、出版社の購読料収入に対する6%が学会に支払われる契約となっているが、従来、根拠となる正確な財務諸表が提示されていなかった。この件に関しては、出版社より、2008年度からは利益に対する50%を学会還元としたい、との提案がなされており、現状の収支見込みでは約1200万円となり、ようやく編集室の維持費(予算上の国際誌発行支援金)をカバーできる金額となる。引き続き、柳田編集長と協議のうえ、出版社との契約内容の見直し作業を進めたいとの説明がなされた。

・耐震強度問題による校舎建て替えにより、現在のGTC編集室はスペースの事情から6月には(後日3カ月程度延期となる)京大から出なくてはならないこととなった。新編集室は京大近辺に開設予定であり、編集室スタッフおよび学会事務局と連携を取りながら、移転準備を進めて行きたいとの報告がなされた。

引き続き、柳田編集長よりGenes to Cellsの刊行状況と、海外学術雑誌の動向などにつき説明が行われた。

9)男女共同参画委員会報告

・後藤評議員(大隅典子男女共同参画委員長代理)より、本年12月の合同年会時における男女共同参画企画につき、報告が行われた。

期日:2007年12月12日(水)(年会2日目、12:00~13:00)

形式:ランチョンセミナー枠にて開催

企画概要:テーマ「アカデミアにおいて研究者人生を楽しむ(仮題)」

・田賀評議員(大隅典子男女共同参画委員長代理)より、「日本学術振興会・特別研究員―RPD制度に関するWebアンケート結果について」(2006年7月31日~8月16日にかけて実施)に関する資料が配布され、詳細報告が行われた。同アンケート結果は、今後ホームページで公開していく予定である。

・引き続き田賀評議員より、上記アンケート結果に基づき委員会で作成した要望書「日本学術振興会・特別研究員-RPD制度の更なる拡充、周知、および弾力的運用等に関する要望(案)」につき、詳細説明が行われた。審議の結果、同要望書(案)を承認し、学会長と男女共同参画委員会委員長の連名による提出を、すみやかに進めることとなった。

10)研究倫理委員会報告

  柳田研究倫理委員長より同委員会設置の経緯の説明があり、委員会発足後、学会長と各委員によるメール審議を経て、12月28日付にて学会ホームページに「研究倫理委員会の設置」が掲載された旨報告がなされた。

   本年1月23日、第1回委員会を開催し、研究倫理に関する諸問題についての討議を行なった。第1回会合ならびにその後のメール審議を経て、委員会下部組織として、以下2つのワーキング・グループを立ち上げ、活動を開始することとなった。

(1)論文調査ワーキング・グループ

   WG委員長:釣本敏樹

   委員:伊藤建夫、片山 勉、木村 宏、篠原 彰

   ※ 杉野論文調査作業には大変な労力が予想されるが、可能であれば、第15期評議員会任期(2008年9月末)までに調査作業を終えてもらい、本委員会あてに報告書が提出されるよう作業を依頼した(その後、第1回会合は4月23日に開催することが決定)。

(2)若手教育問題ワーキング・グループ

WG座長(研究倫理委員/兼):中山敬一

   委員:上田泰己、加藤茂明、高橋考太、水島 昇、山中伸弥

   ※ 柳田委員長、中山WG座長より、同ワーキング・グループ立上げまでの経緯、位置づけ、概要の説明がなされた。

   目的:若手研究者の倫理観の育成に関する具体的方策について、研究倫理委員会に提言を行なう。

   開催回数:計3回程度。多忙な委員が多いので、なるべく開催回数を少なくし、その代わりに1回の討議時間を十分に取り、内容の濃い議論を目指す。

     (その後、第1回会合は5月26日に開催することが決定)。

   期限:本年10月頃

    引き続き、研究倫理問題に関連して、岡田評議員、柳田評議員より、日本学術会議における倫理問題への取り組み状況の報告が行なわれた。

11)永田庶務幹事より、2007年3月末現在の会員数報告(総数15070名)がなされた。

12)永田庶務幹事より、学会ホームページの全面リニューアルの提案がなされた。現状の問題点(・必要な情報にたどり着くのに手間がかかる・ページデザイン・英語ページの充実)が報告され、引き続き、リニューアルに際し、ページ/コンテンツ再編作業、要する時間、費用等の説明がなされた。昨年の総会で2007年予算が承認されているが、同予算に計上されている範囲内で収まるリニューアル見積り資料を入手している。以上の報告があり、具体的ニューアル作業に入ることとなった。

13)花岡会長(畠山昌則世話人代理)より、2008年春季シンポジウムの開催企画概要の報告がなされた。

会期:2008年5月25日(日)~27日(火)の3日間

  (25日は市民公開セミナー、26、27日がシンポジウム)

会場:ロイトン札幌を軸に検討中。

 14)菅澤会計幹事より、配布資料に基づき、新会員システムの運用準備状況の報告が行なわれた。検証作業も無事終了し、3月末には事務局において新会員システムの運用を開始した。5月中旬には全会員あてにID(新会員番号)とパスワードが発行(郵送)され、登録情報の変更や会費入金確認等も会員本人が行なえるようになる。同時に会員専用ページにおけるWeb版会員名簿も運用を開始し、会意相互が会員検索等を行なえるようになる(公開可能項目も本人が指定できる)、との説明がなされた。

 15)渡邊 格名誉会員(初代ならびに第2期会長)のご逝去に際し、会報に追悼記事を掲載されたいとの意見が提出され、原稿執筆者を検討することとなった(後日、三浦謹一郎会員(第7期会長)に依頼することとなった)。

2.協議事項

 1)第15期会長(理事長)の選任

花岡第14期会長は第15期評議員でもあるため、ここで議事進行役を永田庶務幹事に交代した。先ず、永田庶務幹事より、会長選出に関する細則の説明が行なわれ、その後、第15期評議員による自由討論が行なわれた。今回は法人への移行期でもあり、法人定款(第3章 役員 第13条)にある副理事長を置くかどうかについて討議され(定款上は2人以内置くことができる)、話し合いの結果、副理事長を置く方針を決定し、その人数は、第15期会長(理事長)に一任することとなった。

第15期評議員の投票により、第15期会長(理事長)として長田重一氏が選任された。

 2)副理事長の選任

    第15期長田重一会長より副理事長は2名置きたいとの要望が出され、それを原則とし投票を行い、第15期副理事長として、岡田清孝氏、宮園浩平氏が選任された。

 3)第15期会計監査(監事)、各幹事、委員の選出、委嘱について

 監事、各幹事の選出ならびに各種委員会構成については、慣例に従い、4月中に新旧会長/庶務引継会を行ない、その後に、第15期長田会長(理事長)、岡田副理事長、宮園副理事長で検討し、原案を作ることとなった。

 4)執行部の引継を終えるまでは、第14期役員、各種委員会の協力を得たいとの依頼が、第15期長田会長よりなされた。

 

参考:
第10期、第11期第1回合同評議員会報告(1999,4)
第11期、第12期第1回合同評議員会報告(2001,4)
第12期、第13期第1回合同評議員会報告(2003,4)
第13期、第14期第1回合同評議員会報告(2005,4)